作編曲家・Rillsoul「ブラックミュージックの入り口になるような音楽を作りたい」
――つばさのスクールで働くことになったきっかけは?
Rillsoul 普通に求人サイトで見つけました。日本に帰ってきて、音楽に携わる仕事をしようかなと思って求人サイトを見ていたら、つばさがあったので。
――Especiaが始まった当初、ああいったガールズグループについてどんなふうに思っていたのでしょうか。
Rillsoul 今だから言えますけど、結構ありえないなという感じでした(笑)。
――本場で学んだ身からするとそうですよね。
Rillsoul でも、関わっていくうちにちょっとずつアイドル文化、オタク文化をわかってきて。多分、アイドルに対して偏見があったんだと思います。Especiaは曲がかっこいいし、コンセプトもちゃんとしているので、「アイドル=かっこ悪い」というのがなくなっていきました。自分が覚えてるのは、Especiaのイベントを手伝ったときに、お客さんがみんなDJとかだったんですよね。
――当時はクラブシーンとも繋がりがありましたもんね。
Rillsoul それは驚きでした。これはちょっと違うなと。音楽好きが聴いてるアーティストなんだな、というところから気持ちが変わっていったのは覚えています。
――理解が深まっていったんですね。『WestPhilly』はJ・ディラやソウルクエリアンズの仕事を想起させる思い切ったプロダクションでした。
Rillsoul じつはそれを言いたかったんですよね(笑)。Especiaの楽曲はメインにSchtein&LongerやPellyColoがいて、安定のクオリティだったので、僕はそれとは違うコアなほうに行けたというが本音です。あのときは「ソウルさんの好きなようにやってください」というオーダーだったので、アイドルがやったことないようなやつをやろうと思って、それこそJ・ディラとかディアンジェロ的な、リズムをずらしたりうねらせたりするようなネオソウルな曲を作ろうと思ってました。