なんてったってキヨハラ第21回「野球がホンマに好きやから」
1995(平成7)年6月、『週刊少年ジャンプ』ではついに『ドラゴンボール』の連載が終了して、『スラムダンク』もクライマックスの山王戦に突入。同じ頃、物心ついたときからのジャンプ派から『はじめの一歩』や『シュート!』の少年マガジンに浮気する少年も多かった。当時、俺はじっちゃんの名にかけてお気に入りのレズビデオを買いに月イチで上京する埼玉の田舎町のノーマルな高校1年生を真面目な顔で演じていたが、ある冬の教室、『BOYS BE…』のコミックスを教科書に隠して読んでいたら、深刻そうな顔をして教師はこう言ったのだった。
「関西の地震が大変なことになっているみたいだ」
95年1月17日、3限目の授業が始まる前の出来事である。阪神大震災の被害の大きさは当初、関東には正確に伝わっていなかったのだ。さらにその春の3月20日、学期末の球技大会という恐ろしく緊張感のない行事の最中、昼飯を買いにいったパン屋の熟女店員さんから「東京で大変な事件があったみたいよ」と教えられた。地下鉄サリン事件が起きたのである。スマホどころか携帯電話のiモードやEZwebも存在しない90年代中盤、一度登校すると外の世界の情報は全く入ってこない。ある意味、学校は閉鎖空間だった。
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