元ジュディマリTAKUYAがエビ中楽曲「ハイタテキ!」に込めた思い<私立恵比寿中学の音楽のすべて>
――〈惚れたっ!〉は、中山莉子史上最高のフレーズの1つですね。
TAKUYA 初披露のライブを観に行ったら、お客さんが「惚れたーーー!!」
って大声で返してて、「そこ、俺が考えたの! 俺が!」みたいな(笑)。
――詞曲は、どういった流れで?
TAKUYA 詞曲はだいたい同時進行で作っていくんですけど、確か歌詞は頭から考えていって。で、アレンジャーのIizukaKeisukeっていう後輩にシンセアレンジを頼むんですけど、「歯医者でかかってそうな、クラシックのフックをつけてくれ」って言いましたね。
――なるほど。あの冒頭の『第九』の一節は、歯医者で流れている音楽のイメージなんですね。
TAKUYA 歯医者って、何かちょっと静粛な感じというか、独特の雰囲気があるじゃん? そしたら、そいつが『第九』のフレーズをイントロにすることを考えて、彼はいい仕事したなって。
――そのイントロに、星名美怜さんの印象的な指揮者の振りがついて。
TAKUYA だから、全部がうまくいったんじゃないかな。『ハイタテキ!』の前に、おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!のプロデュースを2年間ぐらいやってて、エビ中よりもうちょっと若いぐらいの子の曲を作ってたんです。そこで、アイドルだから振りもあるし、余計な部分が必要なんだなと思った。一人で歌うんだったらこんな余計なところはいらないんだけど、フックを作ることによって振りになったり、人数が多いから要素が多くないとダメなんだなとか、そういうアイドル音楽に対する自分なりの対策というかノウハウは、おはガールの経験を活かして『ハイタテキ!』につながったかな。
――遊んでもらえる余地を残したり、用意したりするという?
TAKUYA 残すっていうより、増やすんですよね。JUDY AND MARYだったらこれは余計なんだけど、そこに踊りが入ったり、そういう余計な部分を増やすことが、アイドルの音楽には必要な要素なんだなっていうことですかね。