“水ダウ”藤井健太郎דWACK”渡辺淳之介「悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術」刊行記念対談
バズり体質
――話を戻すと、ふたりはなんで共著を出すぐらいまで仲良くなったんですか?
渡辺淳之介 最初はオーディションですかね。
藤井健太郎 オーディションの何かでちょっと相談されて、お手伝いまではいかないですけど。
渡辺淳之介 WACKで1週間合宿形式でやるとき、BiSの2期のオーディションは1回合宿形式でやったらそんなにエンターテインメントに昇華できなかったなっていうのがあったんで、次は1週間ぐらいやって何かおもしろい企画みたいなこともやりながらコンテンツとしても観られるようなものにしたいってことで。そのときにスペースシャワーの高根順次さんに藤井さんを紹介してもらって。
藤井健太郎 なんかカンパニー松尾さんの次は、みたいなことを言ってましたね。それで紹介してもらって、何回か打ち合わせして。
――どうして藤井さんだったんですか?
渡辺淳之介 テレビのバラエティを意識したいなっていうのが一番にあって。高根さんとも話してたんですけど、いまだとサブカルすぎる、と。合宿自体も観てる人たちもコアだから、コアすぎないところをテレビ的要素でっていうことで高根さんが「藤井さんがいいんじゃない?」って紹介してくれたと思います。それで脱落制度とか救済の感じとかは藤井さんのアイデアで加えていくようになったんで。
――その結果、WACKの合宿が、テレビ的なエンタメ方向になっていったんですね。
渡辺淳之介 そうですね。おもしろかったのが8時間でどれだけ太れるかっていう。ケーキとかめちゃめちゃ用意して。いまはあれももうダメなんだろうな。ダメなこと増えましたね。
藤井健太郎 デスソースも無理じゃないですか?
渡辺淳之介 前までは毎食入れてましたけど、いまは計算してひとり1日1回しか当たらないようにっていうのはやってて。それでも批判されるんで。でも、あれ食品なんですけどね。
――1回やめたとき、やっぱりこれはないとダメだなって感じが出ちゃいましたからね。
渡辺淳之介 そうなんですよ。デスソースがないとお客さんもおもしろくないっていう。
藤井健太郎 ただ飯食ってる時間だとつまんない。
渡辺淳之介 そうなんです。しかもキャッキャしちゃって1回ずつ緊迫感がリセットされちゃうんですよ。飯って大事なんだなと思うんですけど。でもダメになるかもしれなくて、そうするとなんのおもしろみもなくなっちゃう。
――ふつうの合宿になっちゃうから。
渡辺淳之介 でも、やっぱり年を重ねるごとに僕の言葉選びとかも含めてあんまり追い詰めると、最近の若い子はより一層追い詰められてないから萎縮して「怒られた!」だけになっちゃうんで。だから最近は誉めの要素のほうに自分も向かって行ってる感じがしますね。