渡辺正行「テレビに出る前の原石を、たくさん見ることができたのは幸せですよね」
ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする当企画。第41回は、『関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男』の著者である、コント赤信号リーダー・渡辺正行氏が登場。「待たせたなあ!」でおなじみの名コント『暴走族』は緻密な設計のもとに作られていた! 関東芸人の底上げを実現した、「ラ・ママ新人コント大会」主宰者が教える売れる芸人の条件とは――。
出自は演劇
――本書を読むと、渡辺さんの自伝的なキャリアがわかるだけではなく、お笑いライブ「ラ・ママ新人コント大会」(以下、「ラ・ママ」)を軸に、80年代中盤以降の関東芸人の素地が見えてきます。抜け落ちていた関東芸人史を紐解くことができたような気分になり、とても面白かったです。
渡辺正行 それはうれしいなぁ。僕が、「ラ・ママ」を始めたのは、芸人自らが勉強できるような場所を作りたかったという思いがあったからなんですよね。コント赤信号としてデビューして痛感したことは、ホントに若い芸人が腕を磨くような場所がなかったということ。吉本さんや松竹さんは自前の劇場を持っているし、漫才協会に入っていれば末広亭などに出られるかもしれない。でも、僕らはそうじゃなかったから大変だった(笑)。漫才ブームのときに、そういったことを強く感じていたから、ツービートさんや星セント・ルイスさんは、一体どこで腕を磨いていたのか本当に不思議だった。30歳くらいのときに、「コントをやってみたいので勉強させてください」と言われて、そんな大それたキャリアじゃないけど、教えられるよりも実際に舞台に立って、肌身でお客さんの反応を感じられるような場所を作ろうと。それで「ラ・ママ」は始まったんだけど、まさかこんなに長く続くとは思わなかったよね。
――そもそもこの本は、『週刊大衆』で連載されていたコラムがベースなんですよね?
渡辺正行 そう。お笑い系の人が連載コラムを書くみたいなページがあって、前任者は村上ショージさん。どういうわけか、僕にお鉢が回ってきた。連載が始まるとき、「後々一冊の本にしましょう」と言われたんだけど、リップサービスだろうと思っていたんですよ。ところが、本当に書籍になって驚いちゃった(笑)。改めて全体を俯瞰して見てみると、自分の半生を顧みることができて感慨深かったですね。自分としてもスッキリしたところがあるというか。
――渡辺さんのキャリアを振り返ると、80年にコント赤信号としてデビュー。82年に『オレたちひょうきん族』、85年にはピンで『笑っていいとも!』のレギュラー、88年には『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』のサブMCに抜擢。オリエンタルラジオもびっくりのお笑い出世街道……やっぱりリーダーはすごいなぁと。
渡辺正行 どうなんだろう。でも、ほめられるのは好きだからもっと言って(笑)。キャリア8年でサブMCに抜擢されたけど、自分の番組じゃないから気持ちとしては楽だったんですよ。『SHOW by ショーバイ!!』は逸見(政孝)さんの番組だったし、その後の『東京フレンドパーク』も関口(宏)さんの番組。伸び伸びとできたのが良かったのかもしれない。でも、運だと思いますよ。実力もあるんだろうけど。ははははは!
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