たむらぱん(田村歩美)「“その一瞬”に対して焦らないでもいい歌を通してそう感じてくれたらいいなと思ったし彼女たちだから伝えられると思いました」<私立恵比寿中学の音楽のすべて>
――想像を超えてきた感じですか?
たむらぱん そうですね。曲の幅が広がって、この曲を聴いた人が感じ取れる受け皿が広がったような気がしました。感情のままに歌っている粗さとか、最初はこれでいいのかと思ったけど、最終的にはこれでいいんだと思わせる説得力が彼女たちの歌にあったんです。
――続いて提供した楽曲が、『大人はわかってくれない』(’12年8月リリースのシングル。1stアルバム『中人』にも収録)です。発表されて以降、ライブで歌わなかった年はなかっただろうというほど、その時々の私立恵比寿中学で歌われている楽曲ですよね。
たむらぱん タイトルがタイトルだけに、大人になったら歌ってくれるのかな?って思ってたんですけど、結果的にずっと歌ってくれてるから面白いですよね。歌詞に〈大人の過去は誰もが 間違いなく子供〉〈そう私たちも子供 だけどいつか大人〉〈雨よ降れ風よ吹け 私たちは負けない〉というフレーズがあるですけど、エビ中はそれをすごく体現してくれている気がします。だから、大人になった今歌っても、全然変じゃないんだと思います。エビ中は、昔があるから今があるということを証明してくれてるし、昔と今は絶対切り離せなくて、昔だって今だって間違いじゃないって、そういうことを体ごと教えてくれているような気がしてるんです。最近聴くと、特に。
――『誘惑したいや』(’13年リリースの1stアルバム『中人』に収録)も長く歌われている楽曲で、昨年の新メンバーオーディションの最終合宿では課題曲として候補生たちも歌っていました。
たむらぱん 確かこの曲ぐらいから、歌を歌うクオリティが急激に上がってきたと思います。Dメロから落ちサビのあたりでメンタルが乱高下するようなメロディーがあるんですけど、そういうパートをすごくドラマチックに描いてくれていて、ただただ感情に乗せて歌うのではなく、音楽として歌に感情を乗せて届ける力がどんどんついてきた印象でした。
――’16年の3rdアルバム『穴空』には、カラフルなイメージの『ポップコーントーン』が収録されています。
たむらぱん これは、『大人はわかってくれない』の続編的な気持ちで書いたところがある曲です。『大人はわかってくれない』のようなエネルギーも含みつつ、またちょっと違う、当時の彼女たちだからできる楽曲だったのかなと思いますね。コミカルとシリアスさがすごくいい感じに入っていて、“人間”って感じを表したような楽曲になったかなって。8人体制になってからのエビ中に初めて書いた曲なんですけど、そういう変化があったタイミングだからこそ、もう一度『大人はわかってくれない』のような負けん気や強さを描きたいと思ったのかもしれないです。
――インタビューの続きは発売中の「BUBKA3月号」で!
たむらぱん(田村歩美)|作詞・作曲・アレンジはもちろんアートワークまでを手がけるマルチアーティスト。日本初の「Myspace発メジャーデビューアーティスト」として2008年4月に1stアルバム『ブタベスト』をリリース。詩曲提供には、豊崎愛生『ディライト』(作詞・作曲・編曲)、剛力彩芽『up!! up!!』(作詞)、中川翔子『イイヨね』(作詞・編曲)などがある。また、ロッテ『Fit’s』CM曲を歌唱するなど多岐にわたる活動でその才能を発揮している。