乃木坂46秋元真夏「不安よりも『いまはまだ卒業できない』という状況になったことのほうが私にはうれしくて アイドルでなくなることが一番困ることなんです」
――すでに日本でこれだけ大きな成果を上げているわけですから、次のステップとして海外に目を向けていくのはごく自然な流れに思えますけどね。
秋元 でも、私としてはまだ階段を昇ってる途中で海外進出が始まったような感じなんです。個人的には日本を完全に極めたい。もうやることがなにもない、日本のどこに行っても誰もが乃木坂46のことを知っている、そのぐらいの状況になってはじめて本格的に海外のことを考えるぐらいでいいんじゃないかなって。まあ、そんなことも言ってられないんですけど(笑)。
――そうですね。もう海外にも皆さんのことを待っているファンが大勢いますから。
秋元 ただ、上海のライブは2日間やってソールドアウトにはならなかったんですよ。それがまさに2015年の全国ツアーの大阪城ホールを思い出すような状況で。1~2期生はこういうことも経験しているけど3~4期生は初めてだから、あまり気にしないようにってあらかじめスタッフさんが先に情報を入れてくれたんですけど、やっぱりステージに立ったときには悔しいと思って。このままでアジアを終わりにはできないから、次回は必ず同じ会場で2日間ソールドアウトにしたいですね。でも、これも3~4期生にとっては逆に良い経験になったんじゃないかなって。いまの日本のこの状況が当たり前だとは思ってほしくないというか。
――齋藤飛鳥さんが「アジアの空気に触れると初心に帰れる」みたいなことを話していましたが、それはそういうニュアンスも含んでいるのかもしれませんね。
秋元 そうなんですよ。やっぱり海外に行くと昔のことを思い出すし、悔しい気持ちを持っていないとこういう活動をするにあたって上に昇ることはできないので。だから今回の上海のような経験ができることはありがたいというか、初心に立ち返ることができる絶好の機会だと思っています。そういう意味では海外進出もすごく意義のあることなんですよね。悔しさはいま足りてない部分だと思うし、悔しさがあるからこそ強くなれると思うので。
――これからさらに海外進出が本格化していくと、3~4期生は1期生も足を踏み入れていない未知の領域に挑むことになるわけで。もしかしたら、その経験がどのアイドルグループもこれまで超えられなかった「1期生の壁」を打破する鍵になるかもしれませんね。
秋元 そうですね。自分の強みみたいなものをアジアで作ることもできると思うんですよ。それで気がついたらとんでもないレベルにいっちゃった、みたいなこともこれからぜんぜん起こり得ると思っています。
秋元真夏=あきもと・まなつ|1993年8月20日生まれ、埼玉県出身。バラエティーで結果を残すアベレージヒッターで、墨谷二中の歴代主将で言うと完全に丸井タイプの2代目キャプテン。天敵・黒石さんとは誕生日ケーキの大きさを競って毎年揉める。愛称は「まなったん」。
過去に発売された「BUBKA」より、注目の記事を紹介する<BUBKAアーカイブ>。今回は、2020年2月号より乃木坂46・秋元真夏をピックアップしました。(※記事の情報は発売当時のもので最新のものではありません)