乃木坂46秋元真夏「不安よりも『いまはまだ卒業できない』という状況になったことのほうが私にはうれしくて アイドルでなくなることが一番困ることなんです」
アジアの意義
――秋元さん自身がアイドル活動に対して依然高いモチベーションがあることはよくわかりましたが、グループ全体としてはどうでしょう? 東京ドーム公演を実現してレコード大賞2年連続受賞の偉業を達成した乃木坂46が、これから先に成し遂げようとしていることはなんなのかという。
秋元 いまはなかなかグループ全体でこれを目指すっていう目標が掲げられないから、それは私たちにとってものすごく大きな課題で。1~2期生は乃木坂46のことが好きすぎてこのまま変わりたくないっていう意識がすごく強いんですよ。昔からの乃木坂46を守っていきたいという意識がすごく強い。その一方、3~4期生はずっと憧れていた乃木坂46に入ってきて、先輩たちに追いつこうっていう意気込みでがんばっていて。だから、それぞれでちょっとがんばりの方向性が違う部分があるんですよね。そこはめちゃくちゃ悩みどころなんですけど。
――世代間の意識の差はなかなか埋めにくいですよね。
秋元 これは個人の意見ですけど、私としてはフロントに置くメンバーをあまり変えるべきではないと思っていて。できれば3人ぐらいに固定したい。極力変えないで、新しい乃木坂46の顔になれるようなメンバーを作っていくのが当面の目標という気がしています。乃木坂46をより高めていくためにも、早く新しい顔を作らなきゃって。
――2019年は台湾公演や上海公演を成功させましたが、グループの新しいモチベーションを作っていくという意味で海外進出にはどのように取り組んでいきたいと考えていますか?
秋元 まだアジア圏全体で見れば狭い範囲内での活動ですけど、やっぱり日本のファンのように頻繁に会えるわけではないからリアクションが新鮮なんですよ。その反応を見ていると海外に行く機会ももっと増やしていかなくちゃとも思うんです。でも、やっぱり拠点にしているのは日本なので私としてはこっちをないがしろにするわけにはいかない。だから、アジアに力を注いで日本は現状維持でもいいやっていう考えにはなれないんですよね。たとえアジアで有名になっても日本での活動がおざなりになってしまったら、それはこれまで応援してきてくれた皆さんにも申し訳なくて。別に日本で完全に満足のいく状況が作れたわけでもないですからね。昔に比べてメンバーが増えたぶん、日本とアジアでうまく力を配分して活動していけるといいんですけど。