【BUBKA2月号】天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第38回「蝶野正洋」
その後に白から武闘派の“黒のカリスマ”になって、新日本のトップになっていく中で、いろいろな面で発信するようになってから脚光を浴びて、自分の主張が試合にそのまま反映されるようになっていったと思うんだよ。
新日本の中では異質だね。さっき言ったように藤波辰爾、長州力を見て「こんなのプロレスじゃない!」って言ってるんだから(苦笑)。闘魂三銃士が面白いのは、同じ日に新日本に入門して、同じものを学んできたのに、それぞれが「違うな!」と思いながらやってきて、3人がまったく違うキャラクターを確立したこと。表現しづらいとは言ったけど、逆に言えばヨーロッパとアメリカのプロレスを会得している蝶野が異彩を放っていたと思うんだよね。それが後年、nWoっていうアメリカのスタイルをそのままやって「えっ、新日本でもこんなことやってるの?」って脚光を浴びて、ファンの支持を得たと思うよ。プロレス村の中では当たり前のことでも、新日本だったからこそ、異質に見えてファンが飛びついたんだと思うよ。全日本なら有り得ることだけど、新日本では「よくアントニオ猪木、坂口征二が許してるな」って、ファンが面白がったんだと思うよ。だって現場監督は長州力だしさ(笑)。