【BUBKA2月号】なんてったってキヨハラ第17回「主役交代の予兆」
だが、それでも最強西武は揺るがない。スタートこそ多少もたついたものの、5月は17勝3敗と驚異的な強さでリーグV3へ待ったなし。心強い同僚たちに後押しされるように1カ月近く一発が出なかった悩める背番号3も、5月27日のダイエー戦で2ホーマー含む今季初の猛打賞。6月1日の近鉄戦で野茂英雄から、課題の内角速球をとらえ西武球場の左翼席上段へ決勝8号を叩き込む。この月は9本のアーチと復調し、26日オリックス戦では王貞治の25歳4カ月を上回る、24歳10カ月の史上最年少200号を達成。7年連続ファン投票1位で選出されたオールスター戦では、第2戦で桑田とのKK対決をファンに多く見せられるよう森監督から全パ1番打者で起用されたが、二ゴロに3球三振と完敗を喫してひと休み。なお、春先の『週刊ポスト』で「うまくもないのに人気だけある選手は好ましくないなァ~と思いますが……。“弱いヤツほどよく吠える”と思ってますよ」なんてナイフみたいに尖っていた18番は、序盤なかなか勝ち星がつかず「凋落巨人のA級戦犯」とまで叩かれたが、夏場の長男誕生後はコメントも一変する。「これまで、あまり生意気なことを言いすぎました。ボクみたいな若輩者が、あれこれエラソーなことを言うのはまだ早いです」なんて唐突に口にして周囲を驚かせた。