2022-01-05 20:30
【BUBKA2月号】なんてったってキヨハラ第17回「主役交代の予兆」
しかし、プロになった十代の頃からお金に不自由することなく、好きなだけ飲んで食べての気ままな独身ライフのツケは肉体に蓄積していた。オフに熊本の整体師を訪ねたキヨマーは、「体が資本なのに、手入れひとつしてないじゃないか」と一喝されてしまう。さらに92年シーズンから理解者だった広野功打撃コーチが三軍監督に配置転換。黒江透修ヘッドコーチと片平晋作打撃コーチが背番号3の指導法を巡り、口論になることもしばしば。西武の春季キャンプに訪れた球界大物OBたちは、こぞって絶不調キヨマーの打撃フォームに口を出した。「ホンマ野球に打ち込める心境やあらへん」という状態でオープン戦ノーアーチのまま開幕を迎えると、案の定調子は上がらず、春先から打率1割台でランキング最下位が定位置の低空飛行。同僚の誰よりも早く球場に到着すると連日の早出特打で1時間近くバットを振り込んでから試合に臨むも、四番の座を追われ、スタメンを外される屈辱もあった。