【BUBKA2月号】なんてったってキヨハラ第17回「主役交代の予兆」
そして、結婚して妙に明るくなったと噂の桑田真澄は、「いやー、投げる不動産屋まではよかったけど、今は“投げる借金王”ですからねぇ」と恒例の一秒も笑えないマスミギャグをかまし、『週刊ベースボール』インタビューでは「ボクの考えはあまり理解してもらえないですが、これから10年後、15年後に今ボクがいっていることは、みんながやるようになると思います」と強気にぶち上げた。同じくプロ7年目を迎える清原和博は、静かなオフを過ごした。前年の打撃不振からイベントやテレビの出演依頼が激減。『週刊現代』92年2月15日号の野球解説者・加藤博一との対談では、「ズーッと忙しいばっかりだったのに、去年は表彰式もほとんどなかったし。一昨年のシーズンオフには2000万円あった副収入が、わずか50万円ですわ」と寂しく笑ってみせた。それでも「去年までだったら、スーツが足らないぐらい。それが今年は、ほとんどジャージですもん。女のコのマンション行くのは昔からジャージやけど」なんつってリップサービスをかます憎めない野球界のカズである。秋山幸二や辻発彦ら先輩に年俸を逆転されたが、重荷が下りたような感覚もあった。昨季は“タイトル経験なしに最年少1億円プレーヤーになった”と批判する声を黙らせようと、一発狙いで打撃を崩してしまったため、92年シーズンはあえての首位打者宣言だ。