【BUBKA1月号】天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第37回「風間ルミ」
でも負けん気みたいなのはあったね。「女だからって舐められたらいけない!」っていうのは所々にあったよ。150cmそこそこで、女子プロレスの中でも小柄な方だったけど、キックやシュート・ボクシングをやっていたから、彼女の中には「そうはいかない!」っていう気持ちがあったと思うよ。ホント、ちっちゃかったけど、いい蹴りをしてたもん。負けん気だけが彼女を支えていたんだと思うよ。
風間がシュート・ボクシング、神取忍が柔道……違う格闘技から来た2人がトップだったから、LLPWは「団体としては小さいけど、実力者ばかりだよ」みたいな雰囲気があったね。
今思うと、彼女が二十代後半でプロレス業界初のレスラー兼女性社長になってLLPWを旗揚げしたのは凄いことだと思うよ。年齢的にはプロレスを続けるのか、一般女性に戻って結婚を考えるかっていう人生の岐路に立った状況で他のレスラーの生活を一身に背負ったわけだからね。面倒見がいいのかな。まあ、無謀って言えば無謀だけど、度胸があるって言えば度胸があるよね。
風間もそうだし、神取にしても、会社の作り方がわからない状態から、本を買って勉強して始めたらしいからね。女子プロレスラーは普通だったらチヤホヤ育てられるのに、歯を食いしばりながら会社を経営して、あそこまでのしあがったんだと思うよ。プロレスの枠の外の人でも風間ルミっていう名前を知ってたもんね。