【BUBKA1月号】R-指定「Rの異常な愛情」―或る男の日本語ラップについての妄想―番外編

――サザンは国民的バンドなのに、やってることは常にプログレッシブだよね。

R-指定 それからライミングだったり、言葉自体のリズムを意識するような曲が多いんですよ。DABO好きの盟友であるたまこうぅもサザンが好きで、梅田でサイファー終わって一緒にカラオケ行って、サザンの中でキレたライミングや言語感覚を持った曲を披露し合うみたいなことをやってましたね。特に“(The Return of)01MESSENGER ~電子狂の詩~〈Album Version〉”。これがかなり狂ってるんですよ。

――コラージュのような曲だよね。

R-指定 内容的にも、時代がガッとインターネットに移っていく寸前の、その「得体のしれなさ」みたいなことをサイバーパンク的に描いていて。この曲が出た翌年には映画『マトリックス』が公開されたり、世界全体がそういうムードだったと思うし、それをサザンはこう表現したんだなって改めて思いますね。内容的にもテークエムの『LABEL MUSIC』とか、テークが出すサイバーパンク感に通じる部分があると思う。もちろん“LOVE AFFAIR~秘密のデート”のような大ヒット曲も好きだし、フォーキーな“私の世紀末カルテ”の救いの無さも影響受けましたね。

――サザンや桑田さんの歌詞はペシミスティック、ニヒリスティックな部分がかなりあるよね。恋愛にしても、風景にしても「予め失われた」がベースにあるというか。

R-指定 確かに。『さくら』と『YOUNG LOVE』の間にめっちゃ聴いたのが、桑田さんのソロ『孤独の太陽』。このアルバムは特に無常観が強いし、内容的にも「こういう意味かな」とか、歌詞を考察しながら聴いてましたね。

――このアルバムが出た時、“すべての歌に懺悔しな!!”が、長渕剛さんと矢沢永吉さんを揶揄してるという話になって。桑田さんは会見でそれを否定したけど、それもあって当時、サザン派だった俺は長渕派の友達に謎に詰められるという代理戦争に巻き込まれたんだけど、Rくんも般若くんに「お前、桑田派か?」とか言われたりするの?(笑)

R-指定 んな訳ないでしょ(笑)。普通にサザン大好きなんですよ、って話もしますし。この桑田さんの無常観とか言語感覚には改めて影響受けてるなって、『Case』作りながら思いましたね。もうひとグループ、『Case』や俺のリリックに強い影響を与えてるのはエレファントカシマシ。

――インタビューの続きは、発売中の「BUBKA1月号」で!

R-指定|大阪府出身のラッパー。高1から梅田サイファーに通いバトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMBで3連覇を成し遂げ、『フリースタイルダンジョン』の初代モンスター、そして2代目ラスボスを務める。現在はDJ松永とCreepy Nutsとして活動しながら、バラエティ番組やテレビドラマなど多方面でも活躍中。

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