【BUBKA1月号】R-指定「Rの異常な愛情」―或る男の日本語ラップについての妄想―番外編
――せいこうさんは結成当初のサザンの非公認のファンクラブをやってたって話もあるし。DOSMOCCOSのKEN-1-RAWさんも『ウィークエンドシャッフル』でサザンミックスを披露してたし、ヒップホップ界隈にサザンファンは多いよね。
R-指定 俺はサザンに出会ったのは、車でかかってた『海のYeah!!』だったんですよ。
――98年リリースのベスト盤だね。
R-指定 中でも“エロティカ・セブン”、“マンピーのG★SPOT”、“シュラバ★ラ★バンバ”が特に好きで。
――「エロ3部作」と言われる曲たちが(笑)。
R-指定 ノリが良くて、ちょっと下品みたいな曲が好きやったっすね。この3曲は桑田さんの言語崩し系というか、スキャットイズムが強く出た曲で。
――桑田さんはまずスキャットやインチキ英語で曲を作って、そこから日本語を当てはめていく方式が多いと言うよね。
R-指定 英語っぽい発音の言葉を日本語で探したりとか。
――“夕方Hold On Me”で、「夕方」を「You Gotta」と発音したり。
R-指定 それから“シュラバ★ラ★バンバ”とか“愛の言霊 ~Spiritual Message~”みたいに、当て字で造語していくのが感覚的に好きでしたね。それが小学生の時。で、中学生になってヒップホップに完全にハマった後、高3からハタチぐらいまでの間に、そういう自分の原点になったような音楽だったり、ポップスやヒップホップ以外の音楽も聴きまくる時期があって。そのタイミングで『YOUNG LOVE』(96年)、『さくら』(98年)とかはめちゃくちゃ聴きましたね。この時期のサザンはビート感がヒップホップっぽかったり、“マリワナ伯爵”みたいな「え!そんなタイトル!?」っていう曲があったり。『さくら』で言えば、社会風刺色の強い“爆笑アイランド”や、核問題を歌った“PARADISE”も好きでしたね。