【BUBKA1月号】侍戦士と振り返る、80、90年代の豪快プロレス黄金時代…越中詩郎
――今なら大問題ですよね。まあ、当時でも表沙汰にならないだけで大問題だったと思いますけど(笑)。
越中 それで何日かして修繕費の請求書が来て、400万だか500万だからの請求だったんだけど、坂口さんがそれを見て、「おう、安かったな」って言ったんですからね。すごいですよ。500万とか弁償したら、今だったら団体が傾いちゃいますよ。それを「いやー、安かったな」って言いましからね。
――それぐらいは必要経費と(笑)。じゃあ、越中さんはあの時、周りが暴れすぎて酔っ払えませんでした?
越中 僕は周りを止めるのに必死で、自分が酔うどころじゃないですよ。だってリング屋さんまで飲んで暴れちゃってるんだから。
――レスラーだけじゃないんですね(笑)。
越中 周りはどこを見てもワーワー言ってて、武藤(敬司)と前田(日明)が裸になって殴り合いしてたり、そこに髙田(延彦)が入ってきたり。旅館の外では、また別の連中が殴り合ってたりするんだから、酔えないですよ。「これは、誰かが後始末ちゃんとしなきゃな」って。結局、次の日は試合があったんですけど、何人もの選手が欠場したんですよ。
――謎の負傷欠場が続出(笑)。
越中 当時、全9試合くらい組まれてたのに、熊本の宴会翌日は5~6試合しか組めなくてほとんどシングルマッチ。武藤なんて顔がボコボコに腫れてたから、前の日に対戦したコンガ・ザ・バーバリアンが「俺、そんなに殴ったか?」って心配しちゃって。