2021-12-04 06:00
【BUBKA1月号】「好きなやつだけ来りゃあいい」落合記念館という地平線
海とクジラと落合
今から15年前のこと。初めて落合博満野球記念館に足を踏み入れた。以前から興味はあったものの、和歌山県、それも紀伊半島の先っちょにあるというのがどうも引っかかっていた。いくらなんでも東京から遠すぎるだろ! そう思っていたのだ。
幼稚園の頃、ロッテファンになった。ビジターの青いユニフォームがカッコよく見えたからだ。レプリカの子供用パジャマを親に買ってもらい、眠い目をこすりながら『プロ野球ニュース』を見ようとするのだが、たいてい寝落ちした。
ファンになりたてだった当初は有藤通世ヲタだったが、しばらくして落合に推し変した。少年野球を始めた頃には原辰徳と落合がヒーローになっていた。
落合は年俸を隠さない。会見で堂々と数字を明かす。男はこうあるべきだと影響を受けた。たとえば、学校でテストが返される時。同級生は答案用紙の点数が書いてある箇所を必死に缶ペンケースで隠していたが、自分は隠さなくなった。