2021-11-06 11:00
【BUBKA12月号】RHYMESTER宇多丸のマブ論
例えば、6月号で『ワ.ガ.マ.マ. 』のMUROによる超絶ハイクオリティなリミックスを取り上げたばかりの東京女子流が、なんたることか8月18日にリリースしていた(すなわち当連載的には2カ月前にピックアップしておかなければならなかったはずの)シングル『ストロベリーフロート』の充実ぶりは、遅ればせながらであってもやはり、この場に記録されておくべきものでしょう。
世に数多あるいわゆる「『ベスト・オブ・マイ・ラブ』歌謡」の中でも、サウンド的アップデートをかなりスマートに成し遂げた部類と言える表題曲もさることながら、カップリングのクールでアーバンなディスコ『ガールズトーク』が、(比較するならRYUTistの大傑作『時間だよ』にも近い路線で)何しろ「当連載的ツボ」ど真ん中! あえてのヘタウマなラップがむしろシティポップ的な粋さを醸すあたりは、前述『ワ.ガ.マ.マ. 』リミックスとも連なる味わい。
「オーセンティックなダンスミュージックを基本路線とするアイドルグループ」のまさしく先駆たる女子流ならではの、余裕の貫禄も感じさせる一枚です。