【BUBKA12月号】吉田豪インタビュー 証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代~vol.18 吉泉知彦(古泉智浩)
――まあ、楽しめないでしょうね(笑)。
吉泉 スカしてる連中が集う世界なわけじゃないですか。ところが爆音娘。はスカしてる人間なんてひとりもいないんですよ。むしろ気持ち悪さを率先して競ってるみたいな。それにすごい衝撃を受けたんですよね。
――そこは居心地よかったんですか?
吉泉 そうですね、「これだ!」って思ったんですよ。しかも音楽がかかると、それこそ『うたばん』とか『HEY!HEY!HEY!』で観たモーニング娘。の映像が脳裏にガーッとよみがえるんですよ。それも衝撃的でした。
――それで見事にハマッていって。
吉泉 そうですね。あと、新潟であやや(松浦亜弥)のコンサートをやったときビバ彦(※編集者。『BUBKA』では「モーヲタの部屋」を連載した)さんがいらっしゃってて挨拶したんですよ。その前になんかで知り合いに挨拶させてもらって顔見知りになってたので。それで帰り道、僕が新潟駅まで車で送ったから、おかげで『QJ』(※太田出版のカルチャー誌。「〈モー娘。〉文化の愛し方」は2003年6月発売のVol.49に掲載された)の「〈モー娘。〉文化の愛し方」特集でイラストの依頼してもらえたのかなって。
――つまりビバ彦さんには悪い印象がない。
吉泉 そうです、僕のなかでは偉人ですよ!
――偉人!
吉泉 後にお金のトラブルがいっぱいあったみたいな話を聞きましたけど、僕にクラブイベントの楽しさを教えてくださったイベンターです。最近はどうされてるんですか?
――誰も知らないです。確実に最後のほうまでつき合ってたのはボクなんですけどね。
吉泉 そうでしたか……。総スカンみたいになったみたいな話をご本人のmixiか何かで見たような気がするんですけど。とりあえず僕は浅い人間なので、いつでも何にしてもすぐ飽きちゃうんですよ。でも、そのあと新潟でconnie(※作詞・作曲家。Negiccoなどの楽曲を手がけている)さんとか、後に宇多丸さんとかのイベントでもDJをやるレオナくんとかそういう人たちがJ-POPイベントやってて、そこに行ったり。僕もDJさせてもらったこともありました。そのときはやっぱりチェキッ娘とか。好きなアイドルソングをかけてました。まあ、METAMOですね。
――METAMOは最高ですよね。
吉泉 最高ですよねー! あとは研Zの『君と時を越えたい』とかそういうヤツです。