【BUBKA12月号】BOOK RETURN 話題の著者に直撃取材!!vol.36 永野『僕はロックなんか聴いてきた~ゴッホより普通にニルヴァーナが好き!~』
――BUBKAだから大丈夫です! 90年代は、日本でも悪趣味カルチャーが席巻していましたから、本の中で綴られている陰鬱とした感じがリアルというか、真に迫ってきます。それこそ、「トレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ)を聴きながら埼京線に乗ってるとキツい」とか。
永野 なんであんなに無理して聴いていたんだろうって思うんですよね。見たくもないのに悪趣味な本を見たり。意地を張ってたんでしょうね。あの頃って、なんであんなに意地になってたんだろう……(笑)。
この本で扱った24のアーティストって、当時、僕がよく聴いていた音楽。本当はシュガー・レイを聴いていたとか言いたくないんですよ。ナメられるじゃないですか!? 日本でいうAORみたいな音楽――、角松敏生を聴いてましたって言ったらナメられるでしょ。
――ハハハハハ!
永野 そういった自分に多大な影響を及ぼした音楽って、みんなそうだと思うんですけど、孫悟空の輪っかみたいなもんで取れないんですよ。しかも、当時って、アーティストが「虐待されてた」とかネガティブな情報も乗っかってるから、こっちは鵜呑みにするしかない。
――プロレスでも、「ボイラー室で育てられた」みたいなギミックがありますもんね。
永野 そう! ギミック感もあって。今って、「それってプロレスですよね?」的な良くない言葉があるけど、当時はそんな言葉がない。多感な時代に、「カート・コバーンは橋の下で魚を釣りながら生活していた」みたいな情報を聞くと、信じるしかないんですよ。
結局、それも嘘だったけど! 10代の人間がそんなん見ちゃったら影響されるに決まっている。 僕には兄貴がいるんですけど、ある日、「すげえプロレスラーが出てきた」って言うわけです。それがアンダーテイカーだったんですけど、しばらく兄弟二人して、職業が本当に「墓掘人」だと思っていた。
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永野=ながの|1995年に活動開始。洋楽や洋画に造詣が深く、多大な影響を受けている。「孤高のカルト芸人」と呼ばれ、長きにわたってライブシーンで活躍。2014年、「ゴッホより普通にラッセンが好き」のフレーズで知られるネタでブレイク。その一方で、清水康彦、斎藤工、金子ノブアキと共に映像制作プロジェクト「チーム万力」を結成し、長編「MANRIKI」(2019年公開)を発表するなど、独自の活動を続ける。デジタルメディア『JASON RODMAN』での音楽連載やYouTubeチャンネルでの音楽トークも反響を呼んでいる。