「=LOVE」SSA公演直前記念!イコラブメンバー全員が語る1万字ドキュメント一部公開
模索の加入当初――汗を流して、がむしゃらに
指原莉乃がアイドルグループを結成する。そんなニュースが駆け巡ったのは2017年1月28日のことだった。当時、指原はまだHKT48のメンバーだった。そのために開催するオーディションは「代々木アニメーション学院presents 指原莉乃プロデュース声優アイドルオーディション」と銘打たれた。
4月、最終審査が行われ、12名が合格し、=LOVE(イコールラブ)と命名された。
8月、TOKYO IDOL FESTIVAL2017に出演。世界最大のアイドルフェスが初パフォーマンスの場となった。この時点での平均年齢は15.4歳。その場でソニーミュージックからのメジャーデビューが発表され、9月にはデビューシングル『=LOVE』が発売された。かなり恵まれたスタートと言ってよい。
しかし、大きな仕事ばかりこなしてきたわけではなく、デパートの屋上でイベントもやったし、キャパ200人の会場でライブもしてきた。当時を振り返る。
佐々木舞香「結成当初は、ルンルンでした(笑)。指原さんにプロデュースしてもらえるし、『これからの人生キラキラだ』みたいな。10代で狭い世界で生きてきたから無敵の時期でした。自分が一番すごいんだぞって。オーディションに受かるとそういう気持ちになるんです。でも、世界がどんどん広くなっていくと、その自信はなくなっていくんですけど」
大場花菜「合格したときは、これから頑張るぞという強い気持ちでいました。でも、周りを見渡せば、なんでもできる子たちばかりで。見た目もかわいいし、歌もダンスもお芝居もできる。『どういうことだよ!』と思って(笑)。それに比べて、自分は可もなく不可もない真ん中。やる気だけは人一倍あったけど、才能がなかったんです。個性とはなんぞやと模索する日々が始まりました」
大谷映美里「初期は辛いことが多かったです。合宿もそう、登山もそう。しかも、いつもカメラが回っています。いまはその環境に慣れましたが、最初は少し大変でした」
音嶋莉沙「最初の年はとにかく全力でした。憧れていたアイドルに自分がなれて、MV撮影のリップシーンとか『こういうのやりたかったんだ!』ということをやらせていただいて、純粋に楽しみたいという気持ちが溢れていました。だから、最初の合宿も辛くなかったんです。あっ、赤岳だけはキツかったです(笑)」
瀧脇笙古「赤岳の登山は、今でもメンバー間で語り継がれるくらいの企画でした。でも、私は楽しんじゃうタイプなので、楽しかった思い出として残っています。今度は富士山に登りたいと思っていたくらいです」
メンバーの語る合宿とは、振り付け師の牧野アンナ氏を招いて、デビュー曲『=LOVE』の振り入れをした時のものである。この際、12人はダンスとは何か、ステージに上がるための心構えなどを徹底的に叩き込まれている。
また、赤岳とは、『ネ申テレビ』の企画で行われた登山のこと。長野県と山梨県の境にある八ヶ岳連峰の最高峰で、山頂の高度は2899mである。
このように初期=LOVEは、恵まれた状況にはあったものの、何でもこなしていた。筆者も当時行っていた定期公演に何度か足を運んだが、持ち歌が足りないため、AKB48グループの曲を借りて披露していたし、そこに集まるのは男性客が中心だった。
声優アイドルという個性が与えられてスタートを切った=LOVEだったが、ばっと見て他のアイドルグループと明らかに違うと認識できる色はまだついていなかった。
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