古畑奈和、“初めての作詞”曲が完成「自分の中では勇気がいる行動」
およそ11年にわたって所属していたアイドルグループ「SKE48」を2022年9月に卒業、現在は俳優として、またソロアーティストとしても活躍の場を広げている古畑奈和(ふるはた なお)が、8月16日(水)にソロデビューシングルをリリースする。今回、発売を記念してインタビューに応じた古畑が、初めて作詞に挑戦したという歌詞に込めた想いのほか、今後の目標などを語った。
――SKE48卒業後、最初のシングル発売おめでとうございます。今の率直な心境を教えてください。
古畑奈和:ありがとうございます! まず、曲を出せることがすごくうれしくて。歌がとても好きなので、今後も歌い続けていけるということが自分にとってうれしいですし、待ってくださっているファンの皆さんがいたのも知っていたので、ようやくお届けできるというのと、あと今後、私がリリースしていく楽曲を通して、出会っていける方々がいるのかなと思うと、その未来にワクワクしています。
――期待と不安で言うと、割合的にはいかがですか?
古畑奈和:シングルを出す上で、もちろんいろいろなことを悩んで、悩みすぎて不安になることもあったので…五分五分だったけど、でも今は楽しみでいっぱいです。
――そして今回2曲「鍵の在処」「Moonlight parade」がリリースされることになりました。ではまず「鍵の在処」からご紹介いただいてもよろしいですか。
古畑奈和:こちらの曲は、作詞していただいたんですけど、結構自分のことを歌っている曲になっています。私自身のことをこの曲で書いていただく上で、作詞家さんとかスタッフさんと一緒に会議しながら悩んで作られた曲になっていて、私の気持ちを代弁して作詞の方が書いてくださった歌になっています。私もグループからソロの活動になって、いろいろな曲を歌ったり、役を演じたり、本当にいろいろな方に会う機会が増えました。そうした時に、「あれ、本当の自分ってどれなんだろう」と、ふと分からなくなった瞬間があって。でも、おそらくこの曲を聴いてくれる皆さんも仕事だったり、家族だったり、友達…今だったらSNSで、“それぞれの自分”があると思うんですよ。いろいろな自分があって、ふと「あれ、本当の自分ってどれだっけ」と分からなくなっちゃうこともあったりするのかなと。でも、いろいろな自分があるのって当たり前のことだし、新しい自分に気付けることもうれしいことだと思うんです。ただ新しい自分に出会ったことに対して不安になったり、悩んじゃったりすると思うんですけど、それもあなた自身だから自信を持ってほしいなと思って、この歌詞にしていただきました。私自身もそういう気持ちがあったからこそ、共感し合えたら幸せだなって思います。
――特に惹かれたフレーズとかありますか?
古畑奈和:Aメロなんですけど、1番の『あれこれ仮面を取り替えてゆく 役になりきって』というのが自分とかぶるというか、私もいろんな自分があって、接する人によって自分を変えることもあって、もう“つかみ”の部分から「あぁ…私だ」となったというか、引き込まれていく感じがありますね。あとは『小さな声聞き逃すなよって』っていう歌詞がサビ前にあるんですけど、ちょっと強めな言葉が好きだったりはしますね。なんかハッとさせられるというか。
――メロディーに関してはいかがですか? かなり疾走感のある印象ですが。
古畑奈和:うん、そうですね。気分が高まるようなムードがある曲だと思います。私自身、いろんな曲を出してきたんですけど、今までにない曲調で、歌っていてすごく楽しいです。だけど、やっぱりいろいろなテクニックが必要で、早口だったりとか、息継ぎも難しかったり、音程も結構上下動くので、そこは試されているなっていう感じもありつつ(笑)。でもこの息切れ感が、いい感じに曲とマッチ・歌詞とマッチするので、それを本番ライブがあった時にもっとより感情を込めて歌ったらどうなるんだろうっていうのが今から楽しみです。
――「鍵の在処」というタイトルですが、古畑さんを解放するカギ・古畑さんが気を許してしまうキーアイテムみたいなものってありますか?
古畑奈和:そうですね…解放する鍵…食べ物ですかね。うん、食べ物(笑)。おいしい食べ物を与えられたら懐くかな(笑)。
――そしてもう1曲、注目の2曲目「Moonlight parade」。こちら作詞を担当されたということですが、作詞っていうのはこれまでにされたことはありましたか?
古畑奈和:初めてです。
――「作詞しませんか?」というオファーがあったのでしょうか、それとも古畑さんから「作詞させてください!」という逆オファーですか?
古畑奈和:一致したって感じですね。私は書きたいなと思っていいたし、スタッフさんも「書いてみない?」と思っていたのがたまたま一致したという感じですね。でも言葉に詰まっちゃった時とか、「ヤバい…締め切り…ヤバい」と思いながら結構焦りはありましたね(笑)。本当に(言葉が)出てこなくて、どうやって歌詞って書いたらいいんだ…っていうところから始まったので、そこは悩む期間も長かったですね。煮詰まった日、もう考えても出てこないっていう日はやめたし、今日は違うなっていう日は書かなかったし、逆にパッと出てきた時は1回始めるとスラスラ出てきて、これが自分の頭の中で物語を創造した曲だったので、その物語通りに書いたというか、そういうところはもしかしたら書きやすかったのかもしれないですね。
――これまでグループ時代も含めて“いつか”のために、気になったフレーズとか歌詞のヒントみたいな言葉を書きためてきたということもありましたか?
古畑奈和:いや…私、自分で歌詞を書くなんて想像してなかったので、一生縁がないと思っていたぐらいだったんですよ(笑)。本当にそういう気持ちはなかったんですけど、卒業して、ある日突然「なんか書きたい…」となって、自分の言葉を乗せてみたいって思ったのがきっかけでしたね。でも歌詞を書くなんて思っていなかったので、普通に書いている方とかすごいなと。私にはこんな言葉絶対に思い浮かばない…みたいな感じで見ていたので、書いている自分の進歩に驚いています(笑)。
――今回、順番としては曲ありきの作詞なのか、それとも歌詞に対して曲が完成したのか、いかがですか?
古畑奈和:今回は作詞が先で、後から楽曲を「こういう感じの曲が欲しいです」と言ってオーダーして、一緒に悩んでくださってできました。曲に関しては割とすんなり。私がこういう感じの曲がいいです、こういうテンポで、こういうのが良くて…というイメージをお伝えしたら、作曲がRenさんなんですけど、Renさんが仕上げてくださって、「これだ!」となりました。そこからは悩まずにRenさんがどんどん色・味をつけてってくださって…という感じでした。
――ところで、古畑さんによる初めての歌詞が完成したわけですが、もちろん周りの方に“お披露目”する・チェックしてもらうタイミングがあったかと思うのですが、その瞬間というのは“恥ずかしさ”みたいなものってありましたか?
古畑奈和:元々自分の思っていることを知られるのが苦手なタイプだったので(笑)、文字にしたものをプリントアウトされて、スタッフさんの前に出して、何分間か沈黙が続く中で見られるっていうのが本当に耐えられなくて(笑)。いや~よく乗り越えたなと思います(笑)。やっぱり1曲目だったし、自分も書き方が分からない状態からのスタートだったので、「自信を持って書いたぜ!」みたいな感じで出せなくて(笑)。でも、それがいつか「見てください私の歌詞! これいいでしょ!」と言えるぐらいになれたらいいですよね。
――いろいろな思いの込められた歌詞ということで、一番このフレーズがお気に入り・聴きどころみたいな箇所ってありますか?
古畑奈和:サビ前の『そのキグルミ剥がして 君のリアル頂戴?(OK!)」というところが好きなんですけど、これが最初に出てきたんじゃないかというくらいパッと思い浮かびましたね。このフレーズはどこかに入れたいというのは決めていました。
――アーティストによっては実体験も歌詞に織り交ぜつつ…という方もいらっしゃいますが、古畑さんの場合はいかがですか?
古畑奈和:半々っていう感じですね。でもこの曲を書こうと思ったのは、ライブでみんなと盛り上がりたいという気持ちが強くて。応援してくれているみんなの背中を押せる曲がいいと思って作ったので、半々ですね。
――今後もアーティスト活動を続けていく中で、もちろん2曲目、3曲目、作詞活動も続いていくと思いますが?
古畑奈和:そうですね、まだ先はどうなるか分からないですけど、自分が書きたいと思った時に書こうかなっていう感じで。でも今はまだちょっと勇気がいる。自分の中では勇気がいる行動かなって思っています。でも書いていけることができたらうれしいなと思います。
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