SKE48 Team Eのいちばん長い日「声出していこーぜ!!!」公演
Team Eの新公演。公演タイトルの「声出していこーぜ!!!」は、興行にとって厳しい時代を乗り越えた先にある、ファンの声援だけを促したものではなかった。自分たちを鼓舞し、見事に成長した彼女たちの姿を見ていてほしい。
開演前の舞台裏で
7月14日、SKE48 Team Eは新オリジナル公演「声出していこーぜ!!!」のゲネプロを開催した。ゲネプロとは、本番同様に行われる公開リハーサルのこと。翌日に迫った初日を前に、メンバーの家族や取材陣、他のチームのメンバーらを招いて、18時半に始まった。
この時点で表題曲である『声出していこーぜ!!!』しか公開されていない。未知の曲の連続に集まった関係者は一様に驚いていた。本番と遜色ない迫力がそこにはあった。
鎌田菜月「頭4曲で燃え尽きてしまわないかとスタッフさんに心配されるくらい、かっ飛ばしました(笑)。後半も熱量を高めていかないといけない公演だから、ペースを考えないといけないんですけど、Team Eって力を抜けないんですよね」
そして、本番当日。太陽はおそろしいほどジリジリと名古屋を照らしていた。昼前に劇場へと入った16人のメンバーは落ち着いていた。昨年5月のTeam Sはどこか不安を抱えていたように見えたが、ベテランの多いTeamEは既にやることはすべてやったという余裕が見えた。しかし、本番までの時間は最終確認に費やしたかったようで、曲全体を繰り返し踊るのではなく、気になるポイントを何か所か修正していった。
14歳のエース・林美澪は最終確認を見学していた。前日に腰を痛めたという。
池田楓は体調不良で前日のゲネを欠席。この日に懸けているが、ある瞬間、泣きながら袖にハケた。しばらくして戻ってくると、「大丈夫だよ」と言わんばかりに井田玲音名が頭をぽんぽんと励ます。
どこかにぶつけたのか、倉島杏実は足をアイシングしていた。鈴木恋奈は気分が優れず、途中でリハを抜けた。
全員が万全というわけではなかった。それでも本番はやってくる。本番前にできることはすべてやって、リハは終了した。それでもテンパっているように見えないのがTeamEだ。百戦錬磨のメンバーが何人もいるから、初日直前になっても焦っていないのだ。
本番の15分前。楽屋に16人が集合した。円陣を組んで、確認事をする。仕切るのはリーダー・佐藤佳穂だ。といっても、気づいたことがあれば、谷真理佳、熊崎晴香、斉藤真木子、井田らが積極的に発言していく。
最後に佐藤が伝えたのは、次の言葉だった。
「今回、ソロパートとかも多くて、いろいろあると思うんですけど、うまくやるっていう考えは一旦捨てていただいて、観てくださってる方に届けるっていう気持ちを一番大事にしてステージに楽しんで立ってほしいです」
円陣を終えると、それぞれが準備を始める。ここから慌ただしくなるのだが、斉藤は落ち着いていた。通路をふらっと歩いていると、かつての盟友の姿を見つける。須田亜香里だ。
2人は近づくと、自然と涙が溢れてきた。
「そうだよね。悲しいよね」と斉藤。「気づいたら変わってたから……」と須田。つい前の年までリーダーとして指揮していた自分のチームが新公演を始める。そこにはあったのは、自分のいない集団が目標に向かっている姿だった。それはめでたいことではあるが、寂しくもあった。もしかしたら自分も新公演に向かって一緒に走っていたかもしれない……。そんな思いもあったかもしれない。それを斉藤は一瞬で察した。この2カ月でTeamEは逞しく成長した。新公演はメンバーの見た目や意識を大きく変える。
「大丈夫だよ。何も変わってないよ。気負わずに観て」
柔らかな笑みを浮かべながら斉藤はかつての後輩を落ち着かせ、「じゃあね、行ってくる」とステージに向かった。
開演まであと5分と迫っていた。
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取材・文/犬飼華
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