乃木坂46齋藤飛鳥「『別に飛鳥に話しかけてもいいんだ!』って思ってくれたみたいで(笑)」【BUBKAアーカイブ】
染み付いたものに変化が
――今回センターを務めるにあたっては今日ずっと話してもらったようなさまざまな葛藤があって、そうした状況のなかでレコーディングを行ってMVを撮影して。そんな現在に至るここ数ヶ月の経験は飛鳥さんにとってどんな収穫や気づきがありましたか?
齋藤飛鳥 なんだろう……。いままではずっと人に期待しないというか、周りの人に期待しない生き方を貫いてきたんですよ(笑)。それで平穏な生活を送れていたんですけど、この期間に意外と期待ってしてしまうものだなということに気がついて。いままで意識的に人に期待しないようにしていたことがなんとなく染み付いていたんですけど、今回のシングルの制作期間にいろいろとコミュニケーションをとるようになったことで、今後は意外と誰かに期待してしまうかもしれないと思い始めました。でも、いままでの自分の生き方も否定はしたくないんですよね。めっちゃテレビで言っちゃってるから(笑)。
――アハハハハ。
齋藤飛鳥 フフフフフ。気がついたのは「期待しない」というよりは「寄りかからない」。「人に寄りかからない」という表現のほうが近いのかなって気づきはありましたね。
――その気づきによって楽になった部分はありますか?
齋藤飛鳥 ちょっと楽になりましたね。でも、期待しないと思っていたときは誰かになにかを与えてもらったときの喜びがすごく大きかったんですよ。期待していないからおのずと与えられたときの喜びが大きかったんですけど、そういう時期を経て、寄りかからないことを意識するようになってからは、もっと小さなことで喜びを感じられるようになったというか。与えるとか与えないとか、そういうことじゃないって思い始めたんですよね。人と関係性をつくっていくうえでそこに気づくことができたのはすごく良かったです。
――なかなか複雑な境地に辿り着きましたね(笑)。そんな過程を経てリリースされる『Sing Out!』ですが、飛鳥さんにとって、それから乃木坂46にとって、これがどんな存在の曲になってほしいと考えていますか?
齋藤飛鳥 私のなかではもう特別な曲になっているんですけど、別にそれをみんなに求めようとは思っていなくて。好きになってほしい、たくさん聴いてほしいというよりは、なんとなく時々頭に浮かぶ曲であってほしかったり、なんとなく口ずさんでしまうような曲であってほしい。すごく強い愛を持ってほしいわけではなくて、なんとなく存在してくれればそれでいいなって思っています。
――普段から音楽をたくさん聴いている人らしいお話ですね。今日はありがとうございました。
齋藤飛鳥 ありがとうございます。
取材・文/高橋芳朗
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