2023-05-15 19:00

“ばってん少女隊”の最新AL『九祭』を紐解く――PARKGOLF流の“ぶちアガる”お祭りミュージック

イントロの“始まるぞ!”感

PARKGOLF氏
PARKGOLF氏

――ASOBOiSMさんとの共作の際、どんなやりとりがあったのでしょうか。

PARKGOLF やりとりはめちゃくちゃシンプルで、僕が曲と仮の歌メロも自分で作って、そこでASOBOさんに渡して、ラップや歌を作っていくなかで変えたいところがあったら自由に変えてください、みたいな。せっかく一緒にやるのであれば、こっちでガチガチに決めてやるよりは、お互い自由な部分があった方がいいなと。

杉本 言葉が入ってすごく変身しましたよね。PARKGOLFさんからメロディーが来た時点だとパーカッシヴというかリズミックな印象だったんですけど、ASOBOiSMさんが歌詞にストーリーや、ばってんがこれから行くぞというメッセージ性を組み込んでいただいたことにより、飄々とした印象の楽曲に熱さが出たというか。

PARKGOLF そうですね。

杉本 それもPARKGOLFさんの出した器が大きかったのかなと。そういう言葉でも合うものだったのかなと、あとになって発見がありました。

PARKGOLF 仮のメロにテキトー語で歌を入れてたんですけど、“やめられないから止められない”の部分がそのテキトー語とほぼ同じ母音だったんですよ。それを汲んでくれたのかなと思いました。言葉のハマりかたがめちゃくちゃよかったです。

――テキトー語と仰いましたけど、メロディに合わせて歌うテキトー語って、多分、母音やリズムが気持ちがいいからそういう形になっているわけじゃないですか。

PARKGOLF そうです、気持ちよさを繋いでいくみたいな感じなんです。何回もやり直してはいますけど、同じメロでテキトーな言葉をいっぱい言って、いい流れを作る、みたいな。

――それに沿いつつ言葉をつけてストーリーにするというのは難しいことだと思うので、すごいですよね。

杉本 変な話、外から見ている私からしたら、ふたりが高度な遊びをやっているように見えたんです。鼻歌にこういう言葉を乗せたけど、どう?みたいな感じで。

――そこで何度もラリーがあったわけではない?

PARKGOLF ほぼないです。

杉本 めちゃくちゃ早かったです。ギリギリに頼んで、もうどうしようという気持ちだったんですけど、逆に巻いてくださって。神が現れた!くらいの感じです(笑)。PARKGOLFさんとお話ししていると、楽曲作りってそんなに悩んでやるものじゃないのかなと思っちゃいます。自分が音楽の仕事をやる前のミュージシャンに対して思っていたイメージ……鼻歌とかで歌を作って、それがみんなに届く形になるって普通に思っていたんですけど、そういう感覚に近いというか。もちろん緻密に一小節ずつ細かく作る方もいらっしゃると思うんですけど、すごく自然というか。

PARKGOLF 僕はノリ重視で作ることが多いですね。

杉本 エネルギーがすごいですよ。『御祭sawagi』はものすごい早さで色んな展開があって、明らかに何かおかしいことが始まるぞ感が頭の一音目から出ている。

――納期を巻くくらいのスピード感が曲にも出ている(笑)。

杉本 勢いあるなーみたいな感じで(笑)。

PARKGOLF めちゃめちゃ勢いはあると思います。

――自分も色んな方にインタビューしてきて、あれこれ悩んでこねくり回した曲よりも、パッとできたものの方がよかったりするという話はよく聞きます。

PARKGOLF それは完全にそうだと思いますね。悩んだ挙句にできた曲も思い入れがあると思うんですけど、作ってたらノリでできちゃったという曲の方が自然に聴ける感じがします。

――『御祭sawagi』に関しては悩んだりすることもなく。

PARKGOLF まったく悩まなかったですね。

杉本 話をしててもいつもこんな感じなんです(笑)。

Twitterでシェア

関連記事

MAGAZINE&BOOKS

BUBKA 2024年11月号 BUBKA 2024年11月号増刊 BUBKA 2024年11月号
BUBKA 2024年11月号コラムパック DOLCE Vol.13 尊みを感じて桜井
新谷姫加 相楽伊織 いけちゃん

BUBKA RANKING5:30更新

  1. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  2. プロ野球界において、「落合博満」こそ、最高のエンタメだ。〈ノーカット版〉
  3. 【追悼】酸欠少女さユりが私たちに残したもの
  4. 【BUBKA2月号】R-指定「Rの異常な愛情」―或る男の日本語ラップについての妄想―DABOの革命前夜(前編) 時代に選ばれた男“ Mr.FUDATZKEE”
  5. R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
  6. AKB48本田仁美がもたらす影響…圧倒的練習量から得たもの
  7. “天真爛漫なプリンセス”掛橋沙耶香さん、6年間本当にお疲れさまでした
  8. 【昇天】ドラゴンズ万歳! 金丸獲得だけじゃない「満点超え」ドラフトの理由とは? 青味噌のみそみそダイアリー #4
  9. プロインタビュアー吉田豪が遭遇したすごい人・トンデモ展開【BUBKAアワード】
  10. 本田翼、他の追随を許さないMC力・コミュニケーション能力
  1. 新人グラビアアイドル浅倉れいか、彼氏との旅行中は「い~ぱっいドキドキすることしちゃおっか!」
  2. 志田音々3rd写真集発売決定!台湾&長崎ロケを敢行「なんと!! 2冊同時に発売させていただきます」
  3. 新人グラドル有川燈莉、自慢の豊満ボディーとキュート&セクシーのギャップで魅了
  4. 響き渡る“乃木坂46”&“葉月”コール!向井葉月から奥田いろはへ、涙の抱擁と共に受け継がれる「乃木坂らしさ」
  5. 「なんてかわいいの!」櫻坂46中嶋優月と谷口愛季、キュートなダウン姿を披露!山﨑天はなかやまきんに君と夢の共演
  6. 卒業控える日向坂46東村芽依、“門出”にふさわしい晴れやかな表情の表紙カット解禁
  7. 東大卒のインテリグラドル東堂とも、業界屈指のスレンダーボディーと33歳の大人フェロモンにドキッ
  8. 乃木坂46「36thSGアンダーライブ」完遂!全国5都市を巡るZeppツアーに、座長の奥田いろは「何も後悔はありません」
  9. あふれる美ボディー夏来唯、アラサーグラドルが魅せる臨場感あるシーン
  10. グラビアアイドル桑島海空『週刊少年マガジン』再登場!ピュアな笑顔で魅了