千原ジュニア、担当編集の熱意に押され「渋々というか…覚悟を決めて」
お笑いコンビ「千原兄弟」の千原ジュニアが、5月13日に書籍「嗚呼 蝶でありたい」(扶桑社)を発売。都内の書店で出版記念サイン会を開催し、囲み取材に応じた。
2020年から「週刊SPA!」で連載中の4コマ漫画『囚囚囚囚』に、完全書き下ろしのストーリー漫画も新たに収録しての書籍化した本作。書き下ろしは千原兄弟の伝説のコント『少年と鹿と鉄骨』にまつわる物語。愛と屁理屈と笑いに満ちた千原ジュニアの世界を堪能できる1冊となっている。なお今回、新たな取り組みとして、「通常版」以外に、本作に登場するキャラクターをNFTデジタル特典にして付属する「NFT 特装版」ならびにキャラクターがプリントされたTシャツがもらえる「Tシャツオーダーカードつきセット販売」と、複数の「特別版」も展開されている。
覚悟を決めて
執筆・出版のきっかけについてジュニアは「4コマ漫画を描くきっかけは、『週刊SPA!』で10年ぐらい連載をさせていただいて、“10年でひと区切り”かなと思っていたら、『新しい企画を考えまして、4コマ漫画を描いてもらえませんか?』と言われたんで、“一刀両断”にお断りしまして。それから半年とか1年ぐらいあったんですかね。もうあまりにもしつこいので、渋々というか…覚悟を決めて描くことになりました」と、意外な経緯を明かした。
「4コマ漫画に“自信”はあったんですか?」との問い掛けに、「いや全くないです。全くないですから、断ったということですね。僕がそんな手を出せるような、そんな世界じゃないと思っているので。めちゃくちゃ難しかったですね。説明しすぎても無粋ですし、説明があまりにもなければ伝わらないし、伝わらないと意味がないし…みたいな」と、苦悩も告白。
続けて「コントは、自分の中でなんとなく“正解”があって作るので、コントはずっと作ってきましたけど、またそれとは違いますね」と、ネタ作りと執筆・創作活動の違いについても言及した。
画力がもっとあれば…
自身の“画力”に関しては「画力がもっとあれば、もっと笑いとか伝わりやすくなるのになっていうふがいない思いをしながら日々描いてます。手描きですが、初期からそんなに変わってないですよ、全然上達してないです。僕がちっちゃい時から漫画描いてたとか、何か好きなキャラクターを模写してたみたいな時代が一切ないんで。大喜利の答えでちょっとイラスト描くぐらいしかやったことなかったんで。ホンマ正直なことを言うと、アイデアだけ渡すんで、絵うまい人に描いてほしい(笑)」と、思わず本音も飛び出した。
また気になる作品のタイトルについて「本の中に、1編このタイトルの4コマがあった、例えばドラマとか漫画でも、主人公から出てくるセリフをそのままタイトルにっていうのがあると思うんですけど、4コマ漫画ではあまりこういうのないんじゃないかなと思ってやらせてもらいました。
笑いを取りにいくみたいな4コマではないんですけど、大雑把に言うと、蝶と蛾の違い…見た目は非常に似てる蝶と蛾の違いは、蝶は花に止まる時に羽を閉じて止まる。蛾は開きっぱなしや…というのを人間にも(置き換えて)。ドア開けて入って行って閉めない人…蛾やなと思うし。おみそ汁いただいて、ふたをちゃんとおわんに戻して『ごちそうさまでした』って言う人は蝶やなと思うし。新幹線乗ってもリクライニング倒して、テーブル倒して、毛布ぐちゃぐちゃで降りる人いる…蛾やなと思うがら。『嗚呼 蝶でありたい』っていう(タイトルに)」と、ジュニアらしい視点からタイトルに採用したという。
「ジュニアさんも蛾である時はありますか?」との質問に、「あ~ありますね…まあまあチャック開けっぱなし(笑)」と取材陣を笑わせていた。
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