乃木坂46吉田綾乃クリスティーさん、メンバーの良さを引き出す才能・長所を見つけるセンス
乃木坂46の3期生・吉田綾乃クリスティーさん。今年2月に1期生・秋元真夏さんがグループを卒業してからは、吉田さんが乃木坂46の最年長メンバーとなりました。過去にアパレル店員として働いていた経歴を持っているだけあって、彼女のファッションセンスとスタイルの良さに多くのファンが心を奪われてきたことでしょう。しかし、加入から7年目にして選抜メンバー入りは未経験。「なぜ?」と不思議に思っているのは私だけではないはずです。
先日、全国3都市をまわる乃木坂46の32ndSGアンダーライブが開催されました。無事に全8公演を完走し、ライブを成功させたアンダーメンバーの一人が吉田綾乃クリスティーさんです。3期生・伊藤理々杏さんと4期生・林瑠奈さんが先頭を切り、ダブルセンターならではの演出が展開されていく中、パフォーマンスとは別のところで今回のライブで印象に残った場面がありました。それはライブ終盤にトークの進行役をしていた吉田さんが、5期生・池田瑛紗さんを指名して今日の感想を聞いた直後のこと。
「それとさ、1個ちょっといい?ブログにあやてぃーさんって呼びたいって書いてたじゃん?許可とか要らないから呼んでほしい!」と、池田さんのブログの内容に吉田さんが触れる場面がありました。池田さんいわく、5期生は「吉田さん」「綾乃さん」「クリスティーさん」どの名前で呼べばいいのか迷っていたそうで、それをブログに載せたところ本人の目にとまったようです。
アンダーライブに限らずライブのトークゾーンでは、これまでにもメンバー同士の距離が縮まったり、仲が深まったりする光景が数多く見られてきました。ライブと直接関係がない話でも、トークゾーンをメンバー同士の交流の場として時間を費やすのもありだなと思った瞬間でした。今回そのきっかけを作ってくれたのが吉田さんなのですが、“今回も”と言った方が正しいかもしれません。私は以前から彼女がトークの中で話を切り出すタイミングや、相手の良い部分をさらに持ち上げるエピソードを話すことがうまいところに注目していました。
前回の31stSGアンダーライブでも終盤のトークで進行役を任されていた吉田さんは、このライブの座長である中村麗乃さんが、座長としてスピーチをする以外でしゃべれる機会が全公演を通してなかったことを察すると、千秋楽の公演で中村さんにトークを振ってもいいか事前にスタッフさんに確認し、了承を得て実際に話を振ったことがありました。また、吉田さんが進行役のときもそうでないときも、トークを振られたメンバーが話し終わったあとに「あのね…」と切り出して、そのメンバーがここに立つまでにどれだけの努力をしていたか、本人が言えないことを付け足してくれる彼女の優しさを何度も見たことがあります。
メンバーがまわりに見せない努力を本人に代わって発信してくれる吉田さんを見て、私は卒業生の秋元真夏さんを思い出しました。秋元さんは2代目キャプテンに就任してからは、自分よりもまわりのメンバーが輝けることを第一に考え、それぞれが持っている長所をたくさん見つけては、あらゆる場所でその子の良さをうれしそうに語っていました。
振り返れば、吉田さんはもともと秋元さんに憧れて乃木坂46のオーディションを受けています。秋元さんの優しさを受け継いでいるメンバーが今の乃木坂46にいることは、グループにとってすごく大切なことであると感じました。
メンバーの長所をより深く引き出すことができる吉田綾乃クリスティーさん。
人を幸せにしてきたその長所が、「表題曲」という形で彼女に返ってくることを私は願っています。
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