2023侍JAPANを大いに語る!!【完全版】
期待感と予感に
満ちた大会へ
──今大会はライバルチームも超強力ですよね。
生田 登 最強軍団アメリカを倒して世界一ってイメージしがちですけども、ドミニカとかプエルトリコとかもめったくそ強いですからね。
中溝 康隆 キューバ代表も、亡命した選手を呼び戻したりしてましたね。
伊賀 大介 あと、ミギータ(真砂勇介)も中国代表になってた。それから、マシソン!
中溝 康隆 1次ラウンドでアメリカのマイコラスとカナダのマシソンが投げ合うとかありますからね。俺、前回大会観に行ったら、キューバでセペダが打ってました(笑)。そういう同窓会的な再会があるのもWBCのいいところ。
伊賀 大介 あと、テレビがどういう演出をするかも大事ですよ。他のチームもすごいんだよっていう煽りをちゃんとしてあげないと。
生田 登 地上波はどうしても「大谷! 大谷!」みたいな感じになるでしょう。
伊賀 大介 「大谷を見ないでいいのか!?」みたいな煽り方。
中溝 康隆 それに対してコアな野球ファンがキレるまでがセットなのが見えてる。
伊賀 大介 煽りビデオ、佐藤大輔とかが作りゃいいのな。そういう撮影とかしたかった。
──スターが揃っているだけに、演出的なセンスも問われますよね。
伊賀 大介 選手がみんな最初は着物を着てて。で、ズバッって脱いで1人ずつ入場してくるみたいなさ。
生田 登 伊賀さん、今からでもやった方がいいよ!
伊賀 大介 そういう煽りビデオが本当に重要だと思います。
中溝 康隆 皆さんは先発ローテーションはどんな感じで考えてますか? 吉井コーチが「アメリカラウンドに行ったら、(山本)由伸、佐々木朗希を見せたいんだってサクッと言ってたじゃないですか。それを信じるとしたら、初戦は大谷かダルで、準々決勝も大谷とダルのどっちかでいく気がするんですよね。
伊賀 大介 開幕はダルビッシュで「エースはあなたですよ」っていう敬意を一応示して。で、次の韓国戦で大谷とか。
生田 登 いずれにしても、このレベルだから先に決めて、選手に通告すると思うんですよ。特に吉井さんってそういう人だから。
中溝 康隆 若干心配なのは、佐々木朗希を準決勝とかでいきなり先発させるのが果たして大丈夫なのか。
生田 登 たしかに今まで「負けたら全てが終わり」みたいな勝負論の中で野球をやったことがない人ですからね。
中溝 康隆 松坂大輔は高校時代から短期決戦の勝負強さで連覇に貢献した感あるじゃないですか。それが佐々木朗希にしても山本由伸にしてもないから。
伊賀 大介 でも、そこでとんでもないピッチングしたらそれはそれでね。
生田 登 そうそう。それも期待したいんですよ。
──実は個人的に一番楽しみなのは、ダルビッシュ、大谷、山本、佐々木朗希の4人の中で誰が一番すごいピッチャーなのかっていうのが見られることなんですよ。やっぱりダルビッシュが図抜けてるじゃんってなるかもしれないし、佐々木朗希のポテンシャルには全員敵わないねっていう結論になるかもしれないし。とにかく日本球界史上最高の投手が決まる大会になるかもしれないなって。
伊賀 大介 今は大谷がピークっぽい感じがありますよね。ダルは投球術って感じで。
中溝 康隆 佐々木朗希には山王戦で覚醒した流川的なとんでもない感を期待したいですね。
伊賀 大介 マリンに「ロウキ・ササキを見にきた」ってアメリカ人が増えるみたいな。
──それ最高ですね。
伊賀 大介 「あいつはあと何年でアメリカに来るんだ?」って。
──最後にこの大会の侍ジャパンに望むことを聞かせてください。
中溝 康隆 リアルな問題として、今のプロ野球をテーマに何かを書こうとしても、企画が出版社で通らないことが多いですよ。「今じゃなくて、80年代と90年代の野球を書いてください」ってなるんで、それがこのまま行くと野球ライターもきつくなってくるんで、ここらへんで対世間に対して本気でガツンとぶち込んでほしい。そのためには勝たないことには盛り上がらないんで、結果がほしいです。ギリ準優勝ならいい気しますけど。決勝までは絶対に行ってほしいというのがリアルな希望ですね。
伊賀 大介 にわかファン大いに結構なんで、めちゃくちゃ盛り上がってほしいっすよね。30%ぐらい視聴率取ってくれたらいいな。
生田 登 負けたら負けたで、戦犯とかに対して大バッシングがあると思うんですよ。そこでバッシングに対して反論する学級委員タイプの人も現れて、ネット、SNSが盛り上がり、国論二分みたいな感じになる。これが理想ですよね。
中溝 康隆 結論から言ったら中国に負けるべきですよ。
──逆にめちゃくちゃ難しくないですか、それ(笑)。
伊賀 大介 でも、予選で1試合負けた方が盛り上がりますよね。
生田 登 中国に負ける。それ一番いいよ。「中国に負けたアルヨ」って見出しが頭に浮かびました(笑)。
伊賀 大介 あと、決勝でアメリカに負けるのもアリだと思います。「To Be Continued」の形で終わるのも良い。
──「負けるのもアリ」の理論はすごいですね(笑)。
中溝 康隆 そしたら次も大谷が出てくれるかもしれないですよね。
伊賀 大介 今、日本人は銀行のCMか、メジャー楽しそうに投げて打ってる大谷しか観てないじゃないですか。もしこれでアメリカに行って、決勝で5-7とかで最後負けて、大谷が悔し涙でも流してくれたらもうヤバいっすよ。
中溝 康隆 斉藤和巳ですよね。
伊賀 大介 ズレータが肩貸す(笑)。その物語性も惹かれませんか? ドラマがあってやっぱり野球はいいねってなるから。だからこそ、やっぱりWBCは甲子園なんですよ。
中溝 康隆 イチローだって、アメリカでクールにヒットを量産してるのしか知らなかったけど、WBCで人間・イチローが見られたじゃないですか。見たことのない大谷が見られる気がするんですよ。ベンチで「F〇CK!」って叫ぶ大谷が!(笑)
生田 登 花巻東の監督がびっくりしちゃうよ(笑)。
中溝 康隆 「あの翔平が」って(笑)。俺らは綺麗な大谷しか見てないですからね。
生田 登 綺麗すぎるんですよね。デオドラントな感じというか。
伊賀 大介 ヌートバーのダブルプレーで試合終了、ネクストバッターズサークルで泣く大谷とか見たい。
生田 登 「大谷に回せ!しかし、その願いは届かなかった」みたいな。
伊賀 大介 そうそうそう(笑)。
中溝 康隆 中邑真輔がオカダカズチカに対して、「オカダのマイクは感情が見えない」って言ってたんですよ。ちょっと綺麗すぎると客が乗れないんで、大谷も優等生発言だけじゃなくて、なんかひとフック欲しいです。
伊賀 大介 大谷に北斗晶級のマイクを期待したい!(笑)
■試合日程&試合会場
【HP】https://www.wbc2023.jp/schedule/
伊賀 大介=いが・だいすけ|1977年、東京都生まれ。22歳でスタイリストとしての活動を開始。映画『ジョゼと虎と魚たち』『モテキ』『バクマン。』『ハード・コア』『おおかみこどもの雨と雪』『宮本から君へ』などの作品を始め、演劇、広告、ミュージシャンなど幅広く活動中。また、音楽や映画、印刷物にも造詣が深いことでも知られる。WEB連載『文春野球コラム ペナントレース2020』の巨人担当としてコラムの執筆も行っていた。
中溝 康隆=なかみぞ・やすたか(プロ野球死亡遊戯)|1979年、埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。ライター兼デザイナー。2010年10月より開設したブログ『プロ野球死亡遊戯』は現役選手の間でも話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人担当として初代日本一に輝いた。ベストコラム集『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)、初の娯楽小説『ボス、俺を使ってくれないか?』(白泉社)、『原辰徳に憧れて-ビッグベイビーズのタツノリ30年愛-』(白夜書房)など著書多数。『令和の巨人軍』(新潮新書)が好評発売中!
生田 登=いくた・のぼる(某スポーツ紙記者)|某スポーツ紙記者。長崎県佐世保市出身。44歳。どんな状況でも前向きにマウンドへ向かう鍵谷陽平投手のような男になりたいと願う日々。好きなプロレスラーはダスティ・ローデス。
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