RHYMESTER宇多丸のマブ論、CIRGO GRINCO、名曲量産マシン過ぎるんだが……!

RHYMESTER宇多丸のマブ論

来月は年間ベストゆえ、今回が本年度ラスト通常運転。シレッと今月も十枠(笑)。

注目は、CIRGO GRINCOのリリースペースと、それに負けない引き出しの多さと質! まずは、作詞: 松井五郎&作編曲:山川恵津子という(近年では寺嶋由芙の名曲『みんな迷子』も手掛けた)レジェンド作家陣による、ファレルの『Happy』を歌謡テイストで解釈したかのような『Agility』。そこからほとんど間髪入れず発表された、作詞:髙橋久美子&作曲:松井寛&編曲:DEZOLVE山本真央樹というこれまた別軸のドリームチームによる、ただただゴージャスでアップリフティングなディスコ~ファンクナンバー『今日に恋しよう』。どちらかだけを取り上げるということは難しいほど、どちらも全く違う方向で、いい! 加茂啓太郎プロデュース作、総じて歌詞面のアップデートもトライを怠ってこなかったことが、ここに来て大きな実りに繋がっているようにも、個人的には感じます。

寺嶋由芙の『恋の後味』は、作詞:いしわたり淳治、作曲:ジャンクフジヤマ&神谷樹による、ミッドテンポがひたすら気持ちいい極上シティポップ……カップリング、ご存じ西寺郷太とのどこか『Never GonnaGive You Up』風味な『渋谷で5時』カバー含め、悪いわけない!

『水硝子』以降あえて「実験的で、抒情的」な路線に進んだRYUTistのひとまずの集大成と言って良かろうアルバム『(エン)』も、当然のように素晴らしい内容。一曲選ぶなら、蓮沼執太によるホーンの使い方が新鮮な四つ打ちチューン『PASSPort』を。

あのfemme fatale が今度はDÉ DÉ MOUSEをプロデューサーに迎えた『Step Into/Dang Dang Love』は、両曲ともにクリスマス感も軽く漂わせるキラキラしたエレクトロポップで、姉妹の甘い声質がストレートに映える! アトラクションのように音が飛び交う前者もワクワクさせられますが、当連載的にはやはり、フロア爆上がりの絵が浮かぶ直球の四つ打ち『Dang Dang Love』をチョイスしておきましょう。

――記事の続きは発売中の「BUBKA2月号」で

宇多丸|ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー。放送業界の最高栄誉「ギャラクシー賞」を受賞するなど、メディアでの活躍もめざましい。

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