2023-01-01 20:30

天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第50回「オカダ・カズチカ」

天龍源一郎が語るプロレスラー オカダ・カズチカ
天龍源一郎が語るプロレスラー オカダ・カズチカ
写真/平工幸雄

天龍源一郎は、その40年間の“腹いっぱいのプロレス人生”で様々な名レスラーと出会い、闘い、交流した。ジャイアント馬場とアントニオ猪木の2人にピンフォールでの勝利を収めた唯一の日本人レスラーであり、ミスタープロレスとまで称された天龍。そんな天龍だからこそ語れるレジェンドレスラーたちとの濃厚エピソードを大公開しよう!

最初の感情は洒落臭い発言に対する怒り でも一歩踏み出しての対戦快諾に男気を

俺は最初、オカダ・カズチカにそんなに興味はなかったんだよ。海外から帰ってきて、すぐに棚橋弘至からIWGPを獲って話題になったけど、それは新日本プロレスの中の流れだからね。オカダ・カズチカという190cmある奴が新日本にいて、トップグループで頑張っているなあっていう感覚しかなかったよ。試合を観て、どうたらこうたらっていう感情は一切なかったよ。

そんなオカダに対する俺の最初の感情は怒り。彼が2012年と13年の2年連続でプロレス大賞のMVPを獲った時に「猪木選手、鶴田選手、天龍選手 その3人は僕と同じ時代じゃなくてよかった。もし同じ時代だったら、そんな記録はできていないと思うので感謝してほしいですね」って公言しているというのを聞いて、現役だった俺は、後輩レスラーの洒落臭い言葉を見過ごすことはできなかったね。すぐにウチ(天龍プロジェクト)の紋奈代表に「すぐに外道(当時のオカダのスポークスマン)に連絡しろ!」って言ったのを憶えてるよ。

ジャンボは亡くなっているし、猪木さんも引退していて発言する場がないから「俺が言わなきゃ誰が言う!?」と思ったんだよ。当時のオカダはレインメーカーとして高慢な発言を連発していたから、そのキャラクターとしての発言なのか、自惚れからの発言なのかはわからないけど、俺は新日本のレスラーじゃないんだから通用しないよ。「吐いたツバは飲み込むなよ」ってやつだよ。

しばらく新日本からは何の反応もなかったけど、俺の2015年11月での引退が決まり、俺が本気で言っていることが徐々に伝わったんだろうね。態度が変わってきて、それでオカダの意思を確認するために8月16日の両国国技館に乗り込んで「昭和のプロレスを味わう最後のチャンスだぞ!」って、かましてやったんだよ。カッコイイねぇ(笑)。

目の前で見たオカダは颯爽としていたよ。で、大きかったね。線は細かったけど、よくアメリカにいる器用で大きいレスラーというイメージかな。

今考えると、よくぞオカダは俺との対戦を快諾したと思うよ。一歩踏み出すことは、簡単なようで難しかったと思う。俺を完膚なきまでに叩きのめして勝ってこそのIWGP王者のオカダ・カズチカじゃなきゃいけないわけだからね。

引退当日(11月15 日)、「グーパンチが気持ちよく入ったりとかしたら、俺はラストマッチでオカダ・カズチカに勝っちゃうな!」などと思いながら両国国技館に向かったことを憶えてるよ。オカダはもし俺に負けたら、俺は引退するんだから、リベンジのチャンスはなくて「天龍に勝てなかった男」っていうのが一生付いて回るわけだからね。そういう意味では男気があったと思うよ。

あのオカダとの試合では、どこかで両手を広げるレインメーカー・ポーズをやってやろうと思っていたけど、試合開始早々に俺のチョップでオカダが場外にエスケープしたから「今、やってやろう」って。あの試合で天龍源一郎が一番光ったのは、あのシーンだよ(苦笑)。

最初に試合で思ったことはね、始まって5~6分かな、オカダが俺をロープに振ってドロップキックをバーンとかましたのよ。それで俺は場外に倒れちゃって「畜生!」と思って、パッとオカダを見たら、オカダは客席を見回していたんだよね。その時に悔しいけど「負けた!」と思ったよ。やっぱり、そういうもんだよ、レスラーってね。

足で蹴って、相手を遠くに飛ばすという本来のドロップキックという意味ではジャンボやブルーザー・ブロディより上だったと思う。高く上がって、さらにキック力があるんだよね。ジャンボはパーンとなぎ倒す感じだったけど、オカダはポーンと跳ね飛ばす感じだったね。ブロディは高く上がってドンとくる感じ。まあ、オカダのドロップキックは見事に顔面に入ったよ。

――記事の続きは発売中の「BUBKA2月号」で

取材・文/小佐野景浩

天龍源一郎|1950年生まれ、福井県出身。1963年に大相撲入り。1976年のプロレス転向後は「天龍同盟」での軍団抗争や団体対抗戦で日本・海外のトップレスラーと激闘を繰り広げ、マット界に革命を起こし続ける。2015年の引退後もテレビなど各メディアで活躍中。

オカダ・カズチカ|1987年、愛知県生まれ。15歳でプロレススクール闘龍門の13期生として入門。2004年メキシコでデビュー。ウォルティモ・ドラゴンからの指名で国内外問わず実戦経験を積む。2007年新日本プロレスに移籍。同年の内藤哲也戦でのプレデビューを経て、2008年石狩太一戦で再デビューを果たす。ノアとの対抗戦や海外遠征などを経て2011年の武者修行帰国後から「レインメーカー」と称してリングに上がる。2012年棚橋弘至に勝利してIWGP王座に輝く。2018年にはIWGPの防衛新記録となる12度目の防衛を達成。2022年にはIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠。現在も新日本を引っ張るエースとして君臨している。

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2023年2月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2023年2月号 [雑誌] Kindle版

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

紀伊国屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

BUBKA (ブブカ) 2023年 2月号
Amazonで購入

「BUBKA2月号」表紙を飾る日向坂46三期生・上村ひなの

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING5:30更新

  1. SKE48荒井優希、伊藤麻希選手のベルトに初挑戦するも完敗
  2. SKE48荒井優希&赤井沙希、プリンセスタッグ第10代王者のベルトを手にして号泣
  3. SKE48荒井優希選手「CyberFight Festival 2022」参戦!6人タッグマッチに挑む
  4. SKE48荒井優希選手、10人タッグマッチ勝利でシングルマッチへ弾み
  5. SKE48荒井優希&赤井沙希“令和のAA砲”、第10代プリンセスタッグ王座陥落
  6. 日本人女性初のWWE殿堂入り…ブル中野×玉袋筋太郎、極悪から激悪へ
  7. SKE48荒井優希&山下実優組がアジャコング&宮本もか組に勝利!!リング上ではSKE48のミニライブも
  8. 乃木坂46黒見明香さんが今季初“登板”、プロ顔負けの観察眼で大谷翔平選手&山本由伸投手を分析
  9. SKE48荒井優希選手、“サソリ固め”を初公開も
  10. 乃木坂46久保史緒里、地元・仙台育英の“夏の甲子園”初優勝を祝福「東北に初の優勝旗が…勇気を頂きました」
  1. 乃木坂46筒井あやめ1st写真集発売記念YouTube生配信決定!当日予約限定折り目なしポスターカット公開
  2. “ここからだ世代”のAKB48佐藤綺星「大人の自覚、芽生えました!」
  3. 山下美月、人生最後(?)のセーラー服姿に「まだまだ似合ってる」「最後と言わず、これからも着てほしい」
  4. 乃木坂46佐藤楓卒業セレモニー「私の存在が日々の活力だったり、糧だったり、日常の一部になっていたら嬉しいですし、ここにいる意味があります」
  5. 乃木坂46筒井あやめ、真っ赤なニットタンクトップ姿を披露『サグラダファミリア』前でダブルピース
  6. 乃木坂46「38thシングルアンダーライブ」約5年ぶりの“ノンストップライブ”で観客を魅了!
  7. AKB48倉野尾成美『まさかのConfession』MVの見どころを明かす「今のAKB48の縮図になっている」
  8. 脱クレーマーを誓った日向坂46 松田好花が自らの不運をオードリー若林の「言霊」のせいだと主張し、クレーム業は臨時休業ならず
  9. 元HKT48松本日向、“念願”のカレンダー発売「自分から『出したいです!』と」
  10. 櫻坂46大沼晶保の海中釣り写真が「現役アイドルがやることではない」と話題に!過去には千鳥・大悟の飛び込み芸も再現