SKE48 TeamKII 完全密着!『時間がない』公演初日までの歩み
「『ラムネの飲み方』公演を超える」というリーダーの宣言により大きな注目を集めていた、チームKⅡのオリジナル新公演『時間がない』。ついに初日を迎えたこの公演は、大盛況のうちに幕を閉じた。前号に続き、本誌ではその初日の様子を詳しくお届けする。
「時間」との戦い
初日はあっという間にやってきた。
チームKⅡのオリジナル新公演が開催されると発表されたのは9月25日。準備に取り掛かったのはその翌日から。初日までの約2カ月半は一瞬だった。
開演は17時。メンバーがSKE48劇場に入ったのはその5時間以上前だった。舞台監督、ダンスの先生、CRE8BOYなどもすでに顔を見せていた。盤石の体制で「時間がない」公演を成功に導こうとしていた。
メンバーはステージに集まり、ストレッチを始める。声出し、体幹トレーニングを済ませると、M4『君は未来に試されている』から直前のリハーサルは始まった。セリを使う曲だから、最終確認するためだろう。この日の数日前に劇場での通しリハを終えているため、特に注意が必要な曲を重点的にチェックする。
ヘッドセットを使うM1『異形のダンス』、特殊なスカートを着用するM10『ハートブレイカーズ』と続けざまに確認する。さらにユニット5曲を通し、2時間もかからずに一旦リハは終了した。
しかし、M9『空の青さに理由(わけ)はない』を担当する水野愛理と青木莉樺は確認を続ける。水野は歌一本で勝負、青木はギターに挑むことになっていた。2人は何度も直しを重ねた。水野はマイクスタンドにどう右手を置くかにまで気を遣っていた。初めての試みは2人をそわそわさせていた。
全体的な印象としては、すっかり心配な点はなくなっていた。それは、初日の2日前に行われた、関係者やメンバーの家族らが招かれたゲネプロでもそう感じたし、その数日前のリハでもそうだった。振り付けは体に染みついた状態で、大きな間違いをすることもなかった。
初日の5日前、北野瑠華に話を聞くと、「仕上がり具合はもう100に近いです。久しぶりの16人(公演)ですし、初日に向けてのモチベーションはみんな高いです。向上心しかないので」と胸を張った。
伊藤実希は、「本番が近づいていて、それに向かってみんながひとつになって、突っ走っている感じがします。自分は一番下の期で、素晴らしい楽曲と照明と衣装に見合っていないかもしれないけど、先輩のパフォーマンスを盗んで、ベストを尽くしたいです」と、初日が待ち遠しいようだった。本番を数時間後に控えているのに、全体的には落ち着きが感じられた。それは、初日を迎えるにあたり、KⅡはやるだけのことをやっていたからだ。このチームは何かを話し合う必要がなくなっていた。
開演が刻一刻と迫っていた。公演に4つの楽曲を提供したNight Tempo氏が劇場に姿を現し、メンバーと軽く挨拶をかわした。
現役メンバーから斉藤真木子が、OGからは内山命、松村香織、大場美奈も来場した。新公演が発表されたあの日、ステージ上の太田彩夏から名前を出された高柳明音も遅れて顔を出す予定だった。
錚々たる面々に見守られて、新公演の幕はもうすぐ上がろうとしていた。
アイドルの枠を越えて
開演15分前、楽屋に全メンバーが集合していた。16人は輪になって円陣を組んだ。
CRE8BOYの山川雄紀氏が最後の言葉をかける。
「練習した以上のことは絶対に出ません。みんなは練習で完璧にお客さんが感動できることを仕上げてきたと思っているから、何かしてやろうと思わなくて大丈夫。今までやってきたことを丁寧にきっちり見せれば、お客さん、絶対感動してくれるから。ゲネの時にちょっとだけ息が上がっちゃったかなと正直思いました。全体的に練習してきたことをきっちりやる。そのなかで余裕があるところはしっかりテンションを上げていっても大丈夫なんだけど、まずはきっちり丁寧にやってあげると、最後までお客さんを魅了したまま帰してあげることができる。新しいことに挑戦して、Night Tempoさんの楽曲も含めて、世界があなたたちに注目するんじゃないかと本当に信じていますので。これを機にアイドルのイメージを180度変えてしまうような、そんな公演が……」
込み上げてきたものがあったのか、言葉に詰まる。
「えー!」
とメンバーは一様に驚く。
「泣かないよ」
山川氏がお茶目に返すと、楽屋は笑いで満ちた。
「見終わってからね、泣いちゃうかもしれないですけど。期待しかしていませんので、楽しんできてください」
はい、と返事をするKⅡ。そこにはすでに師弟と呼んでもいいほどの関係が築かれているようだった。
取材・文/犬飼華
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