SKE48 Team KII、レッスン独占密着!「ラムネ」を超える神公演へ
レッスン初日は昼から始まった。場所はSKE48のレッスン場だ。簡単な挨拶の後、約40日間続く試練の火ぶたが切って落とされた。
レッスンが始まる15分前、リーダーの太田は全メンバーに招集をかけている。どうしても伝えておきたいことがあったからで、本人的には夏から頭にあったことだった。
太田「今のKIIの課題は、先輩と後輩の間に壁があることです。その壁をパフォーマンスやMCで見せたくないから、レッスンを通じていい関係になったらいいよねということを話しました。KIIには思っていることを口に出せない後輩が多いし、先輩は先輩で楽しんでしまっているから、みんなが周りのことを考えて行動できたらいいよねとも伝えました。この16人で新公演を作ることに意味があるんだよって」
副リーダーが補足する。
青木詩「(太田は)仲のいい(チームSの松本)慈子から、『レッスンを始める前にみんなで話し合ったほうがいい』と聞いていたみたいです。『どう思いますか?』って私も聞かれたので、『しておいたほうがいいかもね』と答えました」
太田は何かと副リーダーに相談をする。自分だけで物事を決めない。リーダーとしては新米だから、慎重に事を進める。
太田はこの話し合いで、「もっと自信を持てたらいいよね」とも話している。それぞれが自信を持てずに活動をしている。太田は自身を顧みつつ、そうメンバーを捉えている。
青木詩「あやめろもリーダーとしてまだ自信が持てていないから、私も不安に感じることがあります。るんるん(前リーダーの大場美奈)みたいに、どっしり構えるタイプじゃないから仕方ないですけどね。他のメンバーも『私、自信があります!』っていうタイプではないですから」
大場が春に卒業をして、太田が引き継いだわけだが、その頃、チームを揺るがす事件が起きた。劇場公演に空席ができたのだ。
ここ数年のKIIは選抜に何人も送り込み、人気メンバーを多数抱えるチームだった。松村香織、大場美奈、高柳明音、古畑奈和。AKB48の総選挙で選抜入りするメンバーがごろごろいたが、今春には古畑を除いて全員が巣立っていた。活動歴10年前後のメンバーが中心の人気チームだったが、いつしか5・6期生が主軸となるチームへと変貌を遂げていた。
劇場に空席があることは、ステージに立ってみないとわからない。楽屋に設置されたモニターには前方の席しか映らないからだ。太田はその日のことをハッキリ覚えている。
太田「幕が開いた瞬間の衝撃はいまだに忘れられません。たまにフラッシュバックすることもあります。私だけじゃなくて、ステージに立った全員が衝撃を受けたと思います」
青木詩「ビックリしました。何かの間違いかなって思いました。同時に、これが今のKIIかって思うとショックでした」
それは間違いでも何でもなく、非情に突きつけられた現実だった。同じ公演を何年も続けていることも大きな要因だろう。だが、決してそれだけではないように思えた。チームSはオリジナル公演をもらい、生き生きとしていた。一方でKIIは苦戦を強いられていた。
5月29日、つまりSの初日が明けた日、私はKII公演を観覧している。ステージで踊っていたメンバーを観て、顔からも体からもトークからも鋭気を感じられなかったことに愕然とした。史上最弱のKIIがそこにいた。終演後、太田から感想を求められたが、率直に答えるとショックを受けると思い、何も言わなかった。
日高「春頃、KIIは暗闇にいました。Sは新しいことに挑戦して、変われるチャンスをもらった。でも、自分たちは何も変わっていない。そんな焦りがありました。あの時期の公演は悲惨でした。どうしたらいいんだろうって思ったけど、何をどう頑張ればいいかわからなかった。反省会でみんなに話をしたとしても、どれだけ伝わっているのかな、伝えても無駄なんじゃないかなと感じたこともありました。先輩の抜けた穴って大きいんだなって実感しました。結構厳しかったなぁ……」
KIIは大場の卒業を機に新しいフェーズへ突入していた。空席ができたのは一度ではなかった。この忘れがたき事件は、12月11日まで続く連続ドラマの第1話でもあった。
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取材・文/犬飼華
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