櫻坂46山﨑天、新時代を切り拓く唯一無二の表現力…ツアーを通して証明したアイデンティティー
緻密に練られた演出、セット、振り付け、そして彼女が持つ唯一無二の表現力が加わり、櫻坂46のパフォーマンスは新たなフェーズに突入した。最年少が放つ圧倒的な存在感がグループのスケールを押し広げ、櫻坂46をまだ見ぬ世界へと導く。
く。
世界に向けて
――最初に東京ドームでライブを行うと聞いた時、どう思いましたか?
山﨑天 櫻坂46として東京ドームのステージに立つのは早いんじゃないか、と思ってました。卒業する菅井(友香)さんと東京ドームに立てることのうれしさは感じつつ、自分たちの力でたどり着いた実感がなくて。本番の3日前くらいに、ようやくその気持ちが変わったんです。東京ドームのリハを重ねていくなかで、普段からお世話になっているTAKAHIRO先生や演出の方から厳しいお言葉をいただくことが何回かあって。そこで自分の中で何かが燃えたというか、「もっと頑張りたい」と思えるようになったんです。他のメンバーも意識が変わったと思います。
――何が足りなかったんですか?
山﨑天 今回のツアーは「世界に通用するライブ」を大きなテーマとして、演出や音響、照明にこだわって、すべてのスタッフの方たちが私たちと息を合わせてステージを作り上げてきたんです。だけど、私たちには足りていないものがあって。それは「世界に向けて届くように頑張りたい」という気迫でした。「君たちはどこに行きたいんだ?」と問われた時、それが私にとってほしかった言葉だったことに気がついたんです。
――その言葉を受けてメンバーと話したんですか?
山﨑天 個人的に数人と話しました。菅井さんもそのひとりです。個々と話しながら自分の気持ちを高めていきました。もちろん私だけじゃなく、全体の空気感が変わったんです。
――広島公演(10月5日、6日)を観て「すごいものを観た」という感情になりました。みなさん集中力の高いパフォーマンスをしていたので、ツアーで納得のいく公演はいくつもあったと思うんです。
山﨑天 今回のメンバーが揃うのはこれが最後なので、「一公演一公演を大事にしよう」と話してました。上村(莉菜)さんの骨折もあって、全メンバーでやれることが当たり前じゃないんだと痛感したんです。地方公演では個々に成長できたと思います。公演を重ねることでカメラワークが理解できて、「ここで抜かれた時はこうしてみよう」と考えながらパフォーマンスできるようになったんです。メンバーそれぞれが表現を自分のものにできたんじゃないかな、と思います。私自身もそうでした。ただ、東京ドームとなると、チームがもっと一丸とならないといいライブなんて絶対にできないんです。ツアーで見せてきたパフォーマンスを、4倍、5倍の規模で見せなきゃいけない。広い会場だと、席によっては私たちのことが豆粒にしか見えなくて、モニターを中心に観る方も多いので、地方公演のままだと天空席の人にまで届かない。ツアーを通してカメラワークや音響、照明を積み重ねて、今までで一番いいものを東京ドームに持ってきてくださっているわけで、オープニングのダンストラックも音が増えていたり、こだわって隙がないように作っているんです。ギリギリまでいろんな方が詰めてくださったライブなので、私たちも応えたいという気持ちで挑みました。3年前の欅坂46の東京ドーム公演よりも準備ができていたので、そういう意味では安心して臨むことができたのかなと思います。
――ただ、3年前と現在で山﨑さんはグループでの立ち位置が違いますよね。
山﨑天 そうですね。3年前は緊張しなかったんです。東京ドームのステージに立っている実感が湧かなくて。「何の曲に出たっけ?」というレベルで記憶もあんまりないんです。今回は東京ドームに立った実感がほしいから、緊張することをひとつの目標にしていました。でも、当日になってもまったく緊張しない(笑)。逆に焦って、「どうしよう。緊張しないんです」とダンサーさんに相談したくらいでした。
――まわりのメンバーは緊張していました?
山﨑天 特に初めてドームに立つ二期生は緊張してました。(守屋)麗奈なんて「どうしたらいい?」と手を震わせながら言ってきてかわいかったです(笑)。ただ、私も2日目の『条件反射で泣けて来る』だけめちゃくちゃ緊張して、踊りながら不安になりました。ハケた後、メイクさんに何度も「大丈夫でした?」と聞いたんです。
――『条件反射』といえば、山﨑さんがピアノを弾きながら花道を爆走しました。
山﨑天 最初に聞いた時は不安に感じました。でも、いかにカッコよく見えるか考えて、いつも楽しそうにピアノを弾いてる藤井風さんみたいに弾こうと思ったんです。
――イメージは藤井風さんだったんですね。1日目と2日目でも表情が違うなと思いました。
山﨑天 あらかじめ「こうしよう」と決めると「完璧にやらなきゃ」と思って、少しでも上手くいかないと落ち込んでしまうんです。だから、決め込まずにその時の自分の気持ちに任せました。「ピアノを弾きながら爆走するなんて、もう一生ないだろうな」と思ったので楽しかったです(笑)。カメラマンさんをはじめ、たくさんの方が支えてくれたのでカッコよく見えたのかなと思います。
――山﨑さんのダンスはどんどん進化してますよね。少なくとも坂道グループでは見たことがないジャンルというか、「お手本」が想像できません。
山﨑天 確かに「お手本」はないかもしれません(笑)。TAKAHIRO先生も「山﨑の表現は山﨑にしかない唯一無二だよ」と言ってくださいました。モニター映像を観ることが好きだし、ライブが終わって夜遅くに帰宅してからもライブ映像を観ているんです。それで自然とカメラワークを覚えて、「こうしてみよう」「ああしてみよう」と考えているうちに、自分なりの表現が生まれてきたのかなって。モデル活動をやっていることも大きいと思います。
――インタビューの続き、アザーカットは発売中の「BUBKA1月号」で!
取材・文/大貫真之介
山﨑天=やまさき・てん|2005年9月28日生まれ、大阪府出身。愛称は「天ちゃん」。
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