2022-10-07 19:00

【追悼特別企画】アントニオ猪木は「レスラーとして、人間として計り知れない度量を持った人」天龍源一郎が語る

猪木さんと戦う時の気持ちは「無」だったね。髙田延彦やオカダ・カズチカとやった時は、彼らが入場してくる姿をリングの上から見ていて「カッコいいなあ」って思ったけど、猪木さんの入場を待ち受けている時は本当に無。「今、ここでアントニオ猪木という人と戦うんだ」というだけで、カッコいいとかって思う余裕はなかったよ。

俺は猪木さんの弟子ではないし、主従関係はなかったから、長州選手や藤波選手、闘魂三銃士(武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也)のように気後れすることはなかったけど、試合前に猪木さんが「格闘技戦ルールだ」って言い出して、あれはちょっと面倒臭かったな(笑)。当然、俺はプロレス・ルールを主張して平行線になって、社長の坂口(征二)さんに下駄を預けて、最終的にプロレス・ルールに落ち着いたけど、試合前から猪木さんは仕掛けてきたということですよ。

もう試合が始まる前に疲れたというのが正直なところですよ。相撲で言えば、猪木さんが最初からずっと上手廻しを持って、土俵の中で俺を弄んでたっていう感じだね。出し投げを打ったり、上手捻りをかましたりとか、そんな感じだったよ。きりきり舞いさせられたね。

で、試合開始早々にスリーパーで落とされた時はビックリしたね。グッと入ってきた時に「ああ、スリーパーがくるんだ」って、ちょっと舐めたところまでは憶えてるんだよ。で、そこからストンと記憶がなくて、次の記憶は長州に「天龍!」って、張り手をかまされて、リングの中に押し戻されたところからなんだよ。あのまま長州が俺をリングに戻さなかったら、俺のリングアウト負けだったよ。

手四つからいきなりヘッドバットをかましてきたり、猪木さんは唐突な攻めが多かったね。全日本プロレス出身の天龍源一郎に対してだけ、従来のプロレスとは違う組み立てで勝負してきたように感じたね。それで俺に恐怖心を与えようとしたのかわからないけど、そんな感じの攻めだったよ。腕十字を仕掛けてきたからロープにエスケープしたのに指をグッと折りにきて脱臼させられたり(苦笑)。

ああいうことをリングの上で平気でやるんだからね、猪木さんは。あれは、なかなかできることじゃないよ。俺が教えられたアメリカン・プロレス、馬場さんから習ったプロレスとは全然違うよ。

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING11:30更新

  1. スタン・ハンセン「『ラリアット』がプロレス技として辞書に載ったりしたら、こんなに光栄なことはないね」
  2. 【昇天】ドラゴンズ万歳! 金丸獲得だけじゃない「満点超え」ドラフトの理由とは? 青味噌のみそみそダイアリー #4
  3. SKE48荒井優希選手、“サソリ固め”を初公開も
  4. SKE48荒井優希&山下実優組がアジャコング&宮本もか組に勝利!!リング上ではSKE48のミニライブも
  5. SKE48荒井優希、山下実優選手とのシングルマッチ!試合に集中しメンバーの存在は「すっかり忘れていました」
  6. SKE48荒井優希選手が辰巳リカ選手とのシングルマッチで大熱戦
  7. 立浪政権の3年間、なぜこれほどまでに勝ちが遠のいたのか? 青味噌のみそみそダイアリー #3
  8. SKE48荒井優希選手、デビュー1周年のメモリアルマッチを白星で飾る「まだ1年…もっともっと成長していけるように」
  9. 元乃木坂46高山一実、千葉県出身の“5期生”メンバーと「千葉軍団を作りたかった」さゆりんご軍団に対抗
  10. 大エース髙橋宏斗頼みのドラゴンズ先発陣に嘆きの喝! 青味噌のみそみそダイアリー 第2回
  1. 日向坂46 松田好花が深夜に自爆!オードリー若林との記念写真がピンボケに終わるも「カメラのカネムラ」のおかげで無事解決
  2. 日向坂46小坂菜緒『EX大衆』リニューアル号表紙を飾る
  3. 日向坂46 松田好花がオードリー若林との夢の共演の「裏側」河田陽菜と埼玉でネタ探しするほど追い詰められた一週間
  4. 「松田もだって36……」オードリー若林の年齢イジりに日向坂46松田好花「おばさんイジりは良くない」と大激怒!?
  5. 乃木坂46の37thシングル『歩道橋』センターは、4期生の遠藤さくら!音源の配信も決定!
  6. 日向坂46の松田好花が撮るメンバー写真が有能すぎる!“カメラガチ勢”の金村美玖との撮り合いが白熱化⁉
  7. 日向坂46×ラジオ…収録現場に密着『BRODY8月号』表紙&特集解禁
  8. 菅井友香、祝!運転免許取得「一人旅にも挑戦してみたい」キッチンカーへの憧れも
  9. 日向坂46と二人三脚で歩んできたオードリー若林「自分の目利きが間違っていた」と、松田好花をガチ分析
  10. 齋藤飛鳥曰く「覚悟が決まると最強」!23歳になった乃木坂46のエース・遠藤さくらが放つ“あざとさ”と“か弱さ”と“輝かしさ”!