2022-08-02 06:15

R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代

R-指定(Creepy Nuts)
写真/河西遼
R-指定(Creepy Nuts)
写真/河西遼

――そう。ECDさんと高木完さんが参加した、いわゆる音楽メディアに対する批判を歌った曲なんだけど、スチャが自分たちの受けたインタビューを隠し録りして、インタビュアーの質問に対して「寒いんだもん」って陰口を言ってる部分が曲に挿入されてて。あれはこの仕事に就くまではヘラヘラ聴いてたけど、いまは怖すぎる(笑)。

R-指定 たしかに(笑)。特にあの時期のスチャを改めて聴いて思ったのが、世の中への不満や、自分たちに向けられる目、自分たちの扱いを曲にすることで、それが結果的に世相を斬ることになってみたいになってておもろいなと。

――それは、SDPが基本的に個人の自意識や自我を歌わないからでもあるんじゃないかな。

R-指定 あぁ~、なるほど。

――「SDPとしての自意識」なんだよね。Bose、ANI、SHINCOの自我を歌う曲って、“セブンティーンブギ”とか“その日その時”ぐらいで、ヒップホップグループとしてはかなり比率として少ない。それは「3人でリリックを書くから、そもそも最初からリリックに社会性を帯びてる」ってBoseさんは話していて。2MC&1DJのベテランであっても、RHYMESTERとの大きな違いはそこにあると思う。

R-指定 確かに。「自分がどうなのか」「自分がどう傷ついて葛藤してるか」みたいなことは言わないですね。

――「SDPとして何にムカついているか」と「個人として何にムカついているか」は、かなり意識的に切り離してる。というか、メジャー1作目なのに、こんなに不平不満を作品に落とし込むというのは、どういうことなんだと思うようなアルバムだよね。

R-指定 特に初期は文句多いっすよね(笑)。

――もはや文句しか言ってない(笑)。

R-指定 でもその文句の対象が「空気」なんですよね。SDPは空気にキレてるというか。それが日本人が持つ反骨という感じがしますね。アメリカのヒップホップの反骨精神は、貧しさや環境から生まれる部分が強いと思うんですよ。「ウータン・クラン:アメリカン・サーガ」とかまさにそうじゃないですか。

Rの異常な愛情 ─或る男の日本語ラップについての妄想─
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2022年9月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ)コラムパック 2022年9月号
BUBKA(ブブカ)コラムパック 2022年9月号

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

Google Play

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 「舞台俳優」中村麗乃23歳の大願成就!乃木坂46の看板を背負い、憧れ続けた「あの人」が演じたヒロインへの道
  2. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  3. R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
  4. 乃木坂46寺田蘭世さん「清々しい気持ちでいっぱい」後輩たちに残したもの
  5. “天真爛漫なプリンセス”掛橋沙耶香さん、6年間本当にお疲れさまでした
  6. 【追悼】酸欠少女さユりが私たちに残したもの
  7. 日向坂46高本彩花×濱岸ひより、アイドルらしさとモデルらしさを併せ持つ二人が放つ輝き【BUBKA12月号】
  8. 【BUBKA12月号】吉田豪インタビュー 証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代~vol.18 吉泉知彦(古泉智浩)
  9. 乃木坂46掛橋沙耶香×林瑠奈「ちょっと抜けてるところはありますけど(笑)」
  10. 船木誠勝「ガチンコでやれば八百長って言われなくなる 単純にそう思ってましたね」【UWF】
  1. 乃木坂46賀喜遥香の表紙カット解禁!流木に座る姿が印象的な1枚
  2. 乃木坂46五百城茉央、萌え袖&美脚の破壊力…1st写真集より先行カット到着
  3. 日向坂46松田好花のラジオが聴取率V4!“ああ言えば松田”で局の「偉い人」にも噛みつく“名物”クレーマー松田も復活‼
  4. 選抜の噛ませ犬じゃない!乃木坂46最新アンダーライブ極私的過剰考察「私、アンダーメンバーの味方です」
  5. 「おいBUBKA編集部、“名物”クレーマー松田ってどういうことだ!」日向坂46松田好花、真夜中の怒りとクレーマーとしてのホコリ!?
  6. 響き渡る“乃木坂46”&“葉月”コール!向井葉月から奥田いろはへ、涙の抱擁と共に受け継がれる「乃木坂らしさ」
  7. 日向坂46松田好花の“泣いてない涙”に反響、春日俊彰の若林正恭への感謝の思いに触れて…
  8. 日向坂46丹生明里卒業SP!河田陽菜と『ラストおみそしる』表紙カット解禁
  9. 卒業控える日向坂46東村芽依、“門出”にふさわしい晴れやかな表情の表紙カット解禁
  10. 日向坂46 の逆襲が始まる東京ドーム公演に注目せよ!明暗分かれた『紅白』出場者から考える坂道3グループの現在地