佐久間宣行Pが今のアイドル業界であえて火中の栗を拾ったワケ~吉田豪インタビュー

プロインタビュアー・吉田豪が佐久間宣行プロデューサーに迫る

――相当悩んでましたよね。

佐久間宣行 悩んでますね……。俺、他の仕事は決めたら仮説を立ててこういう勝負をしようって決められるほうなんですよ、YouTubeだろうがバラエティも全部。それがうまくいくときもうまくいかないときもあるけど。これはホントにまだ悩みながらやってますね、最終オーディションのやり方とか。何人ぐらいに絞ってどういう形で見せていったらいいのかとか。同時に全体のクリエイティブも話し合って。ただ『青春高校』とかラストアイドルやってた人たちも全員ほぼ知ってるからわかるのは、アイドルって目先の金だけ取るんだったらあれだけど、ちゃんとずっと食っていけるプロジェクトにするためにはすげえお金がかかって、衣装も曲も振付もあるから。だから『青春高校』ぐらいの規模だったら30万枚とか売れないとリクープラインを超えないって噂も昔聞いたんだよな……。

――え!

佐久間宣行 それはホントかどうかわからないですよ。ただ、最低20~30万枚超えないと、ああいうビッグプロジェクトの場合は難しいって聞いたんですよね。だから地下アイドルというか、あの規模の5人とか7人とかのアイドルはどうなのかわからないですけど。

――坂道、イコラブとかそのへんぐらいしかそのラインはクリアできないでしょうね。

佐久間宣行 それは全部ちゃんとした資本がついてるじゃないですか。そもそも彼女たちがそこのラインではないのは間違いないですね、こっちは個人事務所みたいなもんだし。

――YouTubeを撮ったときにボクの発言で使われなかったのがあって、「歌披露の選曲を見てわかるのは、彼女たちは坂道みたいになりたいんだと思うけど、佐久間さんを頼るのであればそれではない」って話でした。

佐久間宣行 それは僕も違うと思うし、ああいうアイドルになりたいんだったら年齢のタイミングとしてもけっこう厳しいよっていうふうに言いましたね。そこは何回か話したけどホントに伝わってるかどうかわからないです。だからオーディションを通じて、これから一緒に考えていくしかないとは思ってる。

――いま佐久間さんが作るんだったら、口の悪いアイドルグループとかがビジネス的には一番しっくりくるんだろうなとは思ってて。

佐久間宣行 そう思います、ホントは。でも、あの子たち5人のなかからも残るって考えたうえではそれはね……ゼロイチで作るなら別ですけど。でも、楽曲の方向性も含めてバカだけど楽しいアイドルにしようとは思ってます。俺は櫻坂みたいなものは持ってないので。秋元さんはすげえなと思います、あのフォークみたいな感じ。秋元さんみたいに60歳超えて大人たちに反抗する曲とか書けるのって、ホントにプロの作詞家だなと思いますよ。

――しかも社会的にあの位置にいる人が。

佐久間宣行 社会的にあの位置にいるっていうか、10代が大人たち権威に反抗するという歌詞をあんなに上手に書けるという時点で天才じゃないと無理だって思います。あと指原(莉乃)さんのイコラブの歌詞は、ちゃんとアイドルやってきた人だなっていう、それはそれですごいですよね、好きですけど。

――インタビューの続きは発売中の「BUBKA9月号」で!

佐久間宣行=さくま・のぶゆき|1975年、福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。テレビ東京に入社後、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『ピラメキーノ』をはじめ数多くのヒット番組を手がけ、2021年3月に独立。ラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』、YouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』などメディアを問わず活躍中。

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