乃木坂46山崎怜奈、“努力と優しさ”でたどり着いた現在地
国民的アイドルグループとなった乃木坂46は個々の活動範囲が広がった分、私たちにとっては全メンバーのスケジュールを追うことが難しくなった。故に、私はアイドルとしての山崎に関しては詳しい自信はあるが、ラジオパーソナリティとしての山崎に関しては、乃木坂46をあまり知らなくても彼女がパーソナリティを務めるラジオ番組のリスナーであれば、その人の方が詳しいと思っている。アイドル以外の顔を知るために、私は連載を読み始めた。まず彼女の転機になったのは間違いなく音楽雑誌「MARQUEE」だ。インタビュー形式の、どちらかといえばアイドル寄りの内容だが、ビジュアル写真も含めて山崎の魅力が詰まった連載になっている。
二つのエッセイも始まった。どちらも乃木坂46から少し距離を置いた内容になっているところがいい。
昨年8月に「Hanako.tokyo」で『乃木坂46山崎怜奈の「言葉のおすそわけ」』がスタート。ドラマの回想シーンを見ているかのように、その時の状況が鮮明に伝わってくる山崎の高い文章力に驚かされた。それは、彼女が何かに対して感じたことや、新しく得た知識などはノートに書き留めるという日頃の習慣から生まれた才能なのかもしれない。オススメは「大人版・夏休みの自由研究」と題した第5・6・7回。この回は特に山崎の文才が発揮されているのでぜひ読んでほしい。
そして今年1月に幻冬舎plusで『山崎怜奈と「学ぶ」を考える』がスタート。知らないことを積極的に知ろうとしたり、苦手なことでも挑戦してみたり、学ぶことを恐れない山崎が読者の悩みに寄り添う内容になっている。乃木坂46の活動をしながら慶応大学に合格し、4年間を経て無事に卒業。アイドルと学業を両立させた代表格である彼女の言葉は実に心強く、多くの後輩メンバーが在学中のことや進学のことで山崎に相談をしていたという事実が彼女の頼もしさを物語っている。