天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第43回「永田裕志」
2004年に俺が外敵として新日本に上がっていた時代には、永田と結構当たっているはずだよ。当時の俺は、永田に「何でも器用にこなせちゃうから、思いを込めた技に転化できないんだよ」とか「人がいい。だから新日本を引っ張っていくにはアクが少ないんだ」とかってダメ出ししていたけど、普段の生活を見ても偉ぶらないし、驕ることもなく、人懐っこい。それが彼のいいところなんだけど、でも、それがリング上では物足りなさになってしまう。永田の父親は高校の校長先生だったんだよね?これは俺の想像になっちゃうけど、教育者の家庭で育ったから、人に迷惑かけちゃいけないし、いらぬことはやっちゃいけないっていうのが日常生活の中で自然と身についたのかもしれないね。
若手の頃の永田と初めて対戦した時にはジャンボを思い出したけど、実際にはジャンボの方がもうちょっとアクがあった。「俺が!」とか「そうはいかない!」っていうね。永田はソツなく……例えるなら、近所付き合いのいいおばちゃんっていう感じかな(笑)。悪く言ってるわけじゃなくて、人間としてはいいんだよ。だから、あの新日本の中で誰も敵を作らずに過ごしてきたんだろうしね。
シングルマッチで戦ったのはG1クライマックスの公式戦(04年8月8日、大阪府立体育会館)の1回だけかな?俺が初めて永田にフォールされた試合(バックドロップ・ホールド)だよ。正直、強烈な印象もないけど、負けて「あの野郎!」って思った記憶もないね。何ていうかな……そういう風にさせるんじゃないかな、永田は。中西なんかもそうだけど普通だったら「あの野郎!」って思う試合があるもんだけど、そういう印象がひとつもないんだよ。ソツなくこなすし、高得点なんだけど、相手に悪い印象も、凄い印象も与えないっていうところに収まっちゃうんだよね。
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取材・文/小佐野景浩
天龍源一郎|1950年生まれ、福井県出身。1963年に大相撲入り。1976年のプロレス転向後は「天龍同盟」での軍団抗争や団体対抗戦で日本・海外のトップレスラーと激闘を繰り広げ、マット界に革命を起こし続ける。2015年の引退後もテレビなど各メディアで活躍中。
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