なんてったってキヨハラ第22回「ラストブルー」
社長とがっちり握手をする黒いナイキパーカー姿のキヨマーは、プロ入り以来最高のコンディションを維持していた。10年目の昨季は右肩の故障で初めて長期間の離脱を経験。体脂肪率がチームで1番高いことに危機感を募らせ、オフの間にウエイトトレーニングに励み、キャンプでは高タンパク低脂肪の食事で、大好きなマヨネーズも封印。10キロ近い減量に成功する。身体のキレが戻り、『週刊現代』の名物コーナー「私を抱いた有名人」では「若いのにガツガツしてないんです。途中で『休憩しよう』なんて、シャワーを浴びにいく余裕すらありました。テクニックはすごいですよ。思いっきり腰を回してくるし」なんて銀座のホステスさんからも絶賛。ガールフレンドが多すぎてみんなに呆れられているけど、コマシ屋漫画『どチンピラ』が大好きで「オレもああいうふうな生き方がしたい」なんつって無邪気に笑ってみせるキヨマーであった。
なお契約更改では複数年契約を断固拒否して単年契約にこだわり、前代未聞の減俸を申し出。2000万円ダウンの2億3000万円でサインしたが、打率3割、30本塁打、100打点、出塁率4割で各3000万円の当時としては破格の出来高契約を結ぶ。これにより「FA移籍確実」「清原 巨人入りか」と開幕前から報道される異様な状況だったが、背番号3引き留め案とも言われた西武球場のドーム化計画への総資金は200億円とも噂され、原宿のコクド本社にある堤オーナーの応接室には清原を描いた大きな絵が飾ってあった。レオの至宝の流出阻止は西武グループをあげての至上命題だったのだ。