2022-06-04 20:15

R-指定(Creepy Nuts)、“R流”楽曲制作のロジックと計算式

――建築のような話になってきたな(笑)。でも本当にそれに近いよね。柱が太いだけじゃ住む場所は作れないし、柱を細くすれば弱くなるし、強いだけじゃ地震に負けるし、みたいに、適正な情報量はあるよね。

R-指定 ぶっ飛んでノリで頭からケツまで一瞬で書きましたみたいな書き方をしたことがないし、やったことがないから分からへんって部分がありますね。とは言え、自分の作り方が100%ロジカルかって言ったら、決してそんなことはなくて。フロウやメロディなんかは感覚でしかないし。逆に言うと、バンドの人とか、他のジャンルのミュージシャン、ヒップホップ畑とは違う人と一緒に楽曲を作るようになって、そういう人らの話を聞いたら「俺はだいぶ感覚でやってんねやな」っていうのはすごい思ったりするんですよね。

――それは俺も、特に楽器を弾けるアーティストだったり、音楽教育をちゃんと受けてる人、職業作曲家に話を聞くとよく感じる。作曲って言うと「天からメロディが降ってきた!」みたいに、天啓だったり、選ばれた人だからこそ、のようなイメージがされがち。もちろん、そこに才能の部分も大きいと思うけど、結構多くの場合、このコードはこう進行させて、そこにどういうメロディならハマるかみたいに、すごくロジカルな場合も多い。だからこそ「音楽理論」があるわけで。だからよく「作曲も楽器も結局根気」だとも言うよね。そして、それはヒップホップのトラックメイクも変わらないと思う。その意味では、Rくんは楽器が弾けるわけではないから、より感覚的にメロディを紡ぐようになるというか。

R-指定 「このメロディのあとはこういう音が来たほうが気持ちいい」「この展開じゃないとおかしい」「こういう構成が気持ちいい」みたいな部分を、やっぱり俺はロジカルには考えてないと思うんですよね。

――そもそも根本的に音楽の高等教育で受ける「音楽ロジック」が分かってないわけだし(笑)。それは俺もそうだけど。

R-指定 ちゃんとした音楽的な教育を受けてないですからね。だから、どこまでいっても俺は「ラッパー」なんやなって思いますね。結局、自分の気持ち良いメロディ、口気持ち良さを基準に書いてる部分が大きいから、自分の中ではロジカルやって思ってても、楽器ができる人に比べたら、ある種フリーで感覚とノリでやってるから、広い目で見たら「めっちゃこいつ適当やな」って思われてるかも知れないですね。だから、やっぱりラッパーならではのダーティな音楽の作り方をしてるんやなって思いますね。

――Rくんはメロディメイクをしてるけども、ラップだからこそ、当然だけど「言葉がそこに乗る」ということが前提のメロディメイクだもんね。だからこそ、いわゆる旋律を考えるっていうメロディメイクとは違うノウハウがあるんだと思う。

R-指定 言葉にするのは難しいんですけど、俺の中では自分なりのロジックや計算式があるんですよ。でも他の畑で他の音楽のやり方をしてる人から見たら、「よおそんなんで作れるな」というか「へぇ~」みたいな感じで思われてるんかなって思いますね。

――インタビューの続きは発売中の「BUBKA7月号」で!

聞き手・構成/ 高木“JET”晋一郎

R-指定|大阪府出身のラッパー。高1から梅田サイファーに通いバトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMBで3連覇を成し遂げ、『フリースタイルダンジョン』の初代モンスター、そして2代目ラスボスを務める。現在はDJ松永とCreepy Nutsとして活動しながら、バラエティ番組やテレビドラマなど多方面でも活躍中。

「BUBKA7月号」コラムパック
「BUBKA7月号」コラムパック

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books(Mac または iOS デバイスのみ)

Google Play

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING11:30更新

  1. 「僕が見たかった青空」今井優希、ギャルマインド のすゝめ
  2. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  3. 【BUBKA2月号】栗栖正伸、イス大王が語る遅咲きヒールとしての苦節50年
  4. 乃木坂46林瑠奈さんの飛躍の根底にある“2つの強み”
  5. R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
  6. 【昇天】ドラゴンズ万歳! 金丸獲得だけじゃない「満点超え」ドラフトの理由とは? 青味噌のみそみそダイアリー #4
  7. 吉田豪「What’s 豪ing on」Vol.9 坂本慎太郎、ブレイクしたくない 好きな人に届いているいまがベスト
  8. 【追悼】酸欠少女さユりが私たちに残したもの
  9. 吉田豪新連載「what’s 豪ing on」Vol.2 向井秀徳
  10. 吉田豪「What’s 豪ing on」Vol.10 岸田繁、すべての音は泥団子イズムに通ず
  1. 日向坂46 松田好花が深夜に自爆!オードリー若林との記念写真がピンボケに終わるも「カメラのカネムラ」のおかげで無事解決
  2. 日向坂46小坂菜緒『EX大衆』リニューアル号表紙を飾る
  3. 日向坂46 松田好花がオードリー若林との夢の共演の「裏側」河田陽菜と埼玉でネタ探しするほど追い詰められた一週間
  4. 「松田もだって36……」オードリー若林の年齢イジりに日向坂46松田好花「おばさんイジりは良くない」と大激怒!?
  5. 乃木坂46の37thシングル『歩道橋』センターは、4期生の遠藤さくら!音源の配信も決定!
  6. 日向坂46の松田好花が撮るメンバー写真が有能すぎる!“カメラガチ勢”の金村美玖との撮り合いが白熱化⁉
  7. 日向坂46×ラジオ…収録現場に密着『BRODY8月号』表紙&特集解禁
  8. 菅井友香、祝!運転免許取得「一人旅にも挑戦してみたい」キッチンカーへの憧れも
  9. 日向坂46と二人三脚で歩んできたオードリー若林「自分の目利きが間違っていた」と、松田好花をガチ分析
  10. 齋藤飛鳥曰く「覚悟が決まると最強」!23歳になった乃木坂46のエース・遠藤さくらが放つ“あざとさ”と“か弱さ”と“輝かしさ”!