乃木坂46齋藤飛鳥、“インプット”へのこだわり「周りの意見を受け入れていくことがいかに大切か」
――ものによりけりだとは思いますが、情報はどのようにして入手することが多いですか?
齋藤飛鳥 こういう取材のときだったり、人と接するときに教えてもらうことが多いです。メンバーから教わることもありますね。
――なにか勧められたら自分のストライクゾーンから外れるようなものでもひとまずトライしてみると?
齋藤飛鳥 そうですね。本や映画に関していうと、昔は好みのものばかり観たり読んだりしていてチェックするジャンルの幅を自分から狭めていたようなところがあったんです。でも最近は勧められたらとりあえずなんでも手に取ってみるようにしていますね。
――間口は広くとってあるんですね。
齋藤飛鳥 うん、広めです。
――わかりました。では、齋藤さんというとやはり読書家のイメージが強いのでまずはここ最近読んだ本で感銘を受けたものを教えてください。
齋藤飛鳥 なんだろう? 一応読んではいるんですけど、最近は誰かに勧められたものばかり読んでいるせいか思いっきりハマったものがなくて。わかりやすいもののほうがいいですか?
――それはどちらでも。普通にお気に入りをあげてもらえるとうれしいです。
齋藤飛鳥 うーん……ではアルベール・カミュの『ペスト』を。
――そういうのを待っていました。カミュというと『異邦人』が代表作として知られていますね。
齋藤飛鳥 私は『異邦人』よりもこっちのほうが好きでしたね。カミュの無神論者的なところは『ペスト』のほうが色濃く出ていたから、そこがまたおもしろくて。カミュは何冊か読んだことがあるんですけど、『ペスト』は誰からも話に出てきたことがなくて。それで読んでみようと思ったのがきっかけです。
――『ペスト』のどんなところに惹かれたのでしょう?
齋藤飛鳥 『ペスト』は疫病の話なんですけど、好きな一節があるんです。「絶望に慣れることは絶望そのものよりもさらに悪いのである」という一文が印象に残っていて。物語は病気と戦った医師の目線からルポ的な感じで書かれていて、その客観的なちょっと冷たい視点も好きなんです。途中、疫病が収束しようというときに医師の友人が感染してしまうくだりがあるんですけど、そういう展開も好きなんですよ。もうなんとなくとしか言えないんですけどね。うん、とても好みでした。