“水ダウ”藤井健太郎דWACK”渡辺淳之介「悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術」刊行記念対談
――どうやって幻想を作って売り切るか。
渡辺淳之介 売り逃げの感覚かな。
――渡辺さんはお金が先に立ってないタイプなのは本を読むとホントにわかりますね。
渡辺淳之介 そうっすね、お金を遣えることには喜びがあるんですよ。俺はこんだけ遣っていろんな人たちにお願いしてこういうことができるっていうのは、やっぱりお金がないとできないんでそれはうれしいんですけど。お金を残したいとも思ってないですし。美味い飯を食えるのはいいかな、ぐらいの感じですね。
――藤井さんはTBSの会社員だから、お金に関する執着はさらに薄いんでしょうね。
藤井健太郎 まあそうですね、やりたいことやって楽しく暮らせればいいなっていうのが本音だと思います。もちろんお金も欲しいけど、儲かるからとかは……どうなんだろ、最近チョコッとテレビ以外の仕事もしていて、表に名前が出てないヤツもあるんですけど、普段は基本、自分主体でやりたくないことをやらず自由にできちゃってるんで、ちょっと嫌だなっていうことがあったりして少し枷がかかったときにすっごいストレスなんですよね。そればっかりになったら相当しんどいだろうな、やっぱ向いてないのかなって。お金もらえるからって、やりたくないことはやりたくないなっていうのはすごいありますね。
渡辺淳之介 僕もギャラが高いっていう理由で何かやるってことはあんまりないかもしれない。
藤井健太郎 それもバランスで、めちゃくちゃもらえればちょっとぐらいは我慢するとかそのバランスはあるけど、まず根本はそっちじゃねえんだなっていうのはありますね。
渡辺淳之介 正直、本気でやりたくないなと思うことを1億円もらえるからってやるかっていったらやらないのかなっていう気はするんですけどね、1億円ってどうなんだろ?
藤井健太郎 やっぱりバランスじゃない? 1カ月我慢したら1億円もらえるんだったらやるけど、2年我慢するのはちょっと無理だなみたいなことでしょ?
渡辺淳之介 そうですね、たしかに。
――そして、おふたりはタイプ的に似てるようなイメージがあったんですけど、本を読むとだいぶ違うなと思いました。やっぱ藤井さんのほうがちゃんとしてるんですよ。
渡辺淳之介 ハハハハハハ!
藤井健太郎 まあそうですよね。
渡辺淳之介 真逆中の真逆というか。やっぱり藤井さんはエリートなんですよ。
藤井健太郎 そんなことはないんだけど。
渡辺淳之介 僕からしたら。ちゃんとした生活を送ってしっかり中間テストとかもやって大学卒業してっていう真逆を僕はいってるんで、そこに僕はできなかったことへのうらやましさがあるんですよね。僕も一応テレビ局とか受けて、それなりのところまでいってたから。
藤井健太郎 僕はテレビ局みたいな就職先に受かってなかったら絶対に目立つことにはなってないです。面接も得意じゃないからホントに運よく受かって。そうじゃなかったらしがないサラリーマンになってた可能性もぜんぜんあるし。