AKB48、新たな冠番組スタートで“逆襲”なるか…
グループ名が同じというだけで、柏木由紀以外は10年前の隆盛を体験しているメンバーなどいない。いつまでも過去の成功体験に頼っていてはいけないし、現に『根も葉もRumor』以降のAKB48は、これまでとは違うベクトルに進もうとしている。今の選抜メンバーが異口同音に語ることは、「今のAKB48を知ってほしい」ということ。選手が違うのならば、違う内容の野球を志すべきだ。だったら、レギュラー番組でも、今までとは違うベクトルを示した方がいい。
……と思っていたのだが、今月3日、ぴあアリーナMMで行われた「AKB48 LIVE SHOW」は、これから始まる『サヨナラ毛利さん』を不安視させるものだった。
この「LIVE SHOW」は、新曲『元カレです』をファンの前で初披露するなど、盛りだくさんの内容だったのだが、「お尻合いゲーム」が物議を醸した。安田大サーカスのクロちゃんが臀部を向けてメンバーに接近してくるゲームがそれで、10年以上前に在籍していたメンバーもことごとく餌食になっている。これを再現しようという狙いなのだろうが、スタッフが一新されたというのになぜ同じ内容のゲームを再現したがるのか、理解ができなかった。今の選抜メンバーが「今の私たちを見てほしい」と願うのならば、なぜスタッフたちは「今のスタッフを見てほしい」と思わないのか。「今の私たち」を見せるためには、前任者とは違うことをしなくてはならない。メンバーとスタッフの向いている先が違うのならば、番組がいい方向に進むとは考えにくい。
そんな不安を持って初回放送を見る。内容は、大勢のAKB48に紛れ込んでいる“ニセAKB48”をMCの霜降り明星が当てるというもの。たしかに『AKBINGO!』ではなかった企画ではある。ニセモノは他のアイドルグループのメンバーだったりしたため、霜降り・せいやはほとんど当てられなかった。つまり、AKB48に詳しくない人からすると、今のAKB48は他のグループのメンバーと区別がつかないという結果が露呈してしまった。せっかくのレギュラー番組なのに、なんだかメンバーが損している気もするが、こんな状況から逆襲するしかないということか。せいやにニセモノと指名された“ホンモノ”のメンバー、それを見届けていた峯岸みなみはどんな気持ちだったのか……。
とにもかくにも、こういったレギュラー番組は、スタッフが手応えを感じられる企画が出てくるまで待つのみ。そんな日がなる早でやってくることを信じて、次回放送を見届けたい。
文●犬飼華
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