RHYMESTER宇多丸「ここんとこ毎月アルバムのリリースが多めで、嬉しい悲鳴です!」
月も5曲に絞ること自体にひどく頭を悩ませられる充実作揃いの中、なんならここから複数曲選びたい! という気持ちが抑え難いほど圧倒的な質の高さを見せつけたのが、花澤香菜(私の番組でも度々お世話になっております)のニューアルバム『blossom』でした。疾走感あふれる流麗なメロディとサウンドの全てに陶然としてしまう沖井礼二楽曲『Miss You』、北川勝利による作・編曲に加え本人による作詞も素敵な『港の見える丘』、BaseBallBear小出祐介節が(ラップパート込みで!)炸裂する『息吹 イン ザ ウィンド』あたりで特に迷いましたが、当連載として一曲だけ選ぶとしたら、やはり、これしかないでしょう……疑いの余地なく私のツボを最も的確に刺激する音楽家の一人である、矢野博康の作詞・作曲・編曲による『You Can Make Me Dance』は、言ってみれば『Don’t Stop ‘Til You Get Enough』系譜のキラキラしたディスコチューン、その2022年日本型、最新アップデート版! この、湧き立つような多幸感、身体の芯に働きかけてくるグルーヴに、抵抗するのは難しい。
O’CHAWANZ 現体制のラストアルバムだという『Episode X』も、ボサノバ調トラックにトラップ風味のフロウが妙に合う『JUNE』や、ストレートにアイドル的なポップさが前面に出た『Winter Snow』など、推せる曲が並ぶ一枚ですが、聴き込むうちにどうしても心から離れなくなってしまったのが『THIS IS MY STYLEfeat. METEOR』。勤め人とアイドルの二足のわらじ生活を瑞々しく歌うこの一曲、メテオの素晴らしく豪放磊落な絡み方含め、大きく言えば「日本語でラップするということ」の根源的な楽しさに満ちているように思います!
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宇多丸|ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパー。放送業界の最高栄誉「ギャラクシー賞」を受賞するなど、メディアでの活躍もめざましい。
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