なんてったってキヨハラ第20回「最後の対決」
世紀のダイヤモンド・ラブ。ちょっとキズあり。
これはギリギリガールズの両A面シングル……じゃなくて、1994(平成6)年9月3日に全国公開された映画『ヒーローインタビュー』のキャッチコピーである。鈴木保奈美がスポーツ部に左遷された元エリート経済記者、真田広之がヤクルトのベテランプロ野球選手を演じた本作は、制作陣も含めフジテレビのトレンディドラマ全盛期を支えたオールスターキャストが大集結。チャゲアスの主題歌『HEART』が鳴り響く中、武田鉄矢のノムさん風ヤクルト監督姿はまだしも、痩身ロン毛の江口洋介が横浜ベイスターズのキャッチャー役というむちゃくちゃな設定にもかかわらず、興行収入13億円越えとこの年の邦画では6位のヒットを記録した。
あなたが好きだから野球は死にましぇん宣言。前年は開幕したばかりのJリーグブームに押された、プロ野球界の逆襲の秋が幕を開けた。シーズン序盤はヤクルト野村監督をして「今年のペナントはつまらなくなる。巨人と西武の独走や」とぼやかせる展開も、この年の夏は酷暑で8月8日の京都では観測史上最高の39.8度を記録。水不足も深刻化するうだるような暑さに、序盤から首位を走る森西武も息切れして、一時はダイエー、オリックス、近鉄が0.5差にひしめく大混戦に。独走状態だった長嶋巨人も優勝マジック25を点灯させた8月後半から8連敗を喫するなど今となってはいい感じに失速して、広島と中日の猛追を受けていた。世間がビートたけしのバイク事故で騒然とする中、球界は白熱の終盤戦へ突入する。
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