DABO「Platinum Tongue」かく語りき…Rの異常な愛情 番外編

『Platinum Tongue』の生みの親 DABOを直撃

昨年12月にトークショーとして行われた「Rの異常な愛情 DABO『Platinum Tongue』解読編」。その本編と前号までの3回にわたってテキストとして再構成されたイベントについて、その『Platinum Tongue』の生みの親であるDABOを直撃! トークイベントの感想や作品の裏話などを伺いました。

「Rはド変態」

――今回はよろしくお願いいたします。DABOさんにはトークショーの映像もご覧頂きました。

DABO 面白かったよ。色んな分析の7割は合ってたね。

――3割はハズしてましたか(笑)?

DABO ハズしてたとか間違っているっていうよりは、「そこまでは考えてなかった」とか「実際より想像で膨らんどるな~」みたいな。「お、実はそういう解釈だったってことにさせて頂きましょう!」って思うような分析もあった(笑)。俺を『スパイダーマン』に例えるパートとか、なるほどね~って。だからそこまで分析してもらえるのは嬉しかったし、変態でしょ、とも思った(笑)。

――ハハハ。DABOさんについて語りすぎて、3時間で『Platinum Tongue』の中盤までしか辿り着かなかったですからね。

DABO R-指定はあれだけ忙しいのに、あんなに分析して、それを人前でちゃんと解説できるだけ自分の中でも解釈してる訳だから、もうド変態ですよ(笑)。

――分析という意味では、今回、イヴェント前にDABOさんのインタビュー資料を集めて、Rくんとも共有してたんですが、そこで感じたのはDABOさん自身がご自分の作品に関して、すごく分析的に話していたり、解説されてることなんですね。

DABO でもやっぱり、今回のように7割も自分の作品に対して理解してくれるインタビューなんてほぼ無いんだよ。5割ぐらい正解なら良い方。逆にちょっと曲がって解釈されちゃったりもして、そのフラストレーションがあって、自分のブログで全曲解説をやったりも以前はしていたぐらいで。

――それはインタビュアーとしてもRくんと話していて思うことで。言い訳のようですが、インタビュアーはやはり状況や客観的な視点をもとに、なぜその作品が生まれたかを考えがちですが、Rくんと話していると、やはりプレイヤー側の視点に立って、スキルの面でも作品を分析するので、その差異はすごく大きいと感じることが多くて。

DABO なるほどね。それから俺のラップはやっぱり分かりやすくないから、プレイヤーじゃないと気づかない部分も多いと思うね。

――今回、分析的にトークしてみて、改めて『Platinum Tongue』の奥深さと仕掛けの妙に驚きました。

DABO ちなみにRっていまいくつなの?

――今年32歳ですね。

DABO 多分「リリックにどれだけ仕掛けをいっぱい込められるか」「仕掛けの多いラップを楽しめるか」っていうことに価値観がある最後の世代なのかな。その下の世代になるともっと歌詞の情報量が変わってきたじゃない?

――ネガティヴな意味ではなく、TRAP以降はリリックの構造性や意味の持ち方が大きく変わったと思うし、Rくんはその端境期の世代になると思います。

DABO ここ10年は、ボーカルとしてのラップがどんどんシンプルになっていく過程だったと思うんだ。だからケンドリック・ラマーにしろ、Jコールにしろ、ああいう入り組んだラップは珍しい方になってるし、労働力的にコスパが悪い(笑)。

――ハハハ。確かに今は連呼型のフックと1ヴァースで、2分ぐらいの曲が主流になっているし、それはめちゃくちゃコスパいいですね(笑)。

DABO もちろんそれが全面的に悪いってわけじゃない。でもそういう流行の中で、細かい仕掛けのリリックを書いてると「なんで俺はこんなことやってるんだ……?」って思ったりもするんだよね(笑)。だけど、リッチな仕掛けで、リッチな構造のラップを書いて、そこで言葉のパズルがパチっとハマったり、今回のRみたいに分析してくれる人がいると、やっぱりやり甲斐があるんだよ。

――Creepy Nutsの作品自体も、そういう仕掛けの多い作品ですからね。

DABO それも含めて「ヘッズ上がりやのう」って嬉しくなるよね。

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