ラストアイドルとは何だったのか?三拍子(高倉陵・久保孝真)×吉田豪、テレビには映らない少女たちの過酷な舞台裏を語る
久保孝真 長月はやっぱり大きかったですね。
吉田豪 結局、やめた王林さんが一番成功しちゃうと残った人も複雑な感情になるはずで。
久保孝真 まあまあまあまあ!! それは誰も口にしていないことですから!
高倉陵 僕らが関わる前ですからね。「彼女もラストアイドルだったんだ!」と思って。
吉田豪 あれは兼任OKで始めたプロジェクトが、「あれ、兼任は無理かも」ってなった瞬間でしたからね。母体のグループがあると土日のスケジュールがバッティングするから。
久保孝真 軒並みみんな兼任じゃなくなっていきますもんね。ラストアイドルでいろんなことがわかったんでしょうね。
吉田豪 「いまこうやって残酷な感じでメンバーを落とすとこんなに燃えるんだ!」って。「じゃあちょっと救済措置を」みたいな感じで、すべて手探りでやり続けたんですよね。
高倉陵 で、過酷なチャレンジ企画を次から次へとやらせて、団体行動とか。
吉田豪 結局、救済措置をやり続けると2期生アンダーを含めたあの人数になっちゃうから、じゃあ内部のバトルをどうやっていくか、みたいなことをずっとやり続けたわけですよ。
高倉陵 結果、そのバトルが盛り上がるからまた繰り返す。お仕事でMCさせてもらって、もともとアイドルとか好きじゃなかったのに初めて推しのアイドルができて、途中ホントにオタクみたいな感じになったとき思ったのは、「アイドルを応援するってこんなつらい顔を見なきゃいけないの?」と。もっとかわいい顔とか楽しそうにやってるところを見てこっちも頑張ろうと思える存在じゃなかったっけって考えたことはありましたね。それとまた別のところでラストアイドルが戦ってて、そのもどかしさがすごくありました。
吉田豪 10年ぐらい前はAKB48とかBiSとか、肉体的にも精神的にも追い込む系のアイドルが人気だったけど、時代が変わって、追い込まないでかわいい子を集めていい曲を歌ってたほうがいいんじゃない? みたいになってきて。だから乃木坂46とかBiSHが人気になり、トレンドが変わったなかでラストアイドルがどこまで追い込む方向にできるか、みたいなことをやってたと思うんですよね。
高倉陵 だからNetflixで乃木坂46のドキュメンタリー映画観てビックリしちゃいましたもん、「あれ、こんなにアットホームなの? なんのバトルもしてないじゃん!」って。
吉田豪 当たり前ですよ!
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