乃木坂46ファンの“心の声”が起こした奇跡のライブ
2019年5月、23枚目シングル『Sing Out!』発売
発売のタイミングが奇跡的だった。1年後にこの曲が大きな意味を持つことになっているなんて当時は誰も思わない。クラップ音が響き渡るこの楽曲は、リズムに乗せた手拍子がメンバーとファンの心を一つにする、まさにライブで育った曲だ。後にコロナ禍になってからは『君の名は希望』『きっかけ』などのように、セットリストに入れば重要な意味を持つ楽曲へと進化した。
無観客開催の時期を含め、私はここ2年ほど会場でライブを見ることができないのだが、ありがたいことに“生配信”というコンテンツが主流になり、そちらで見ることはできていた。ただ、2年間も配信で見ていると、会場に行かなくても配信で見られる現状に満足してしまって、本来のエンタメの楽しみ方を失っている自分がいたのも事実だ。
それを打開してくれたのが、やはり会場で見る楽しさだった。先日開催された『「の」フェス』『北野日奈子 卒業コンサート』『29thSGアンダーライブ』を見に行けることになった。私の中では25枚目シングル『しあわせの保護色』以降、今に至るまでのシングル・アルバム収録曲すべてがライブ配信止まり。配信のメリットもあるが、それ以上に会場でしか味わえないものが多かったことに気付かされた。気付かされたというよりも、思い出させてくれたという方が正しいかもしれない。