天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第40回「佐々木健介」
昨今、インターネットとかで健介の悪口のような書き込みや、誹謗中傷のような記事を目にするけど、それは健介の一本気な性格ゆえに出たことであって、受け取り方の違いだと思うんだよね。厳しくされた奴らは「しごかれた」とか「被害を受けた」とかって言うけど、健介にしたら、まっとうに「一生懸命やらなきゃ駄目だよ」って教えたことが、今になって「健介は若手をいじめた」とかっていう記事になってるんだと思うよ。
健介は、そいつのために厳しくやってるんだけど、受ける方にしたら被害になっちゃうんだろうね。自分に厳しい男だけど、人にも厳しく出る方だからさ、そう取られるんだと思うよ。俺は佐々木健介っていう人間の昼と夜の顔がゴロッと変わるとはとても思えないよ。
健介がジャパンに入ってきた時、新弟子は彼ひとりだけだから、先輩たちに用事を言いつけられて、あっちに行ったと思ったら、こっちって感じで、いつ見てもバタバタしていた。入門する時に体重を増やしてきたらしいけど、いざ入ったら、雑用で忙しくて20kgくらい痩せたって聞いたこともあるし、それぐらい生真面目だったんだよ。
全日本に上がっていた時代は……若手だから試合は観た記憶はないね。俺の付き人だった小川良成と仲が良かったみたいだけど、あの偏屈の小川と仲が良かったんだったら、まともだよ(笑)。ジャパンから長州に付いて全日本を飛び出して新日本に行った後も、全日本の会場に小川に会いに来たみたいだね。普通なら、レスラーなんだから、別れたらそれでスパッと切ればいいことなんだけど、それでも「元気?」って旧友を訪ねてくるんだから、そういうハートを持っている男ということだよ。