“教養としてのラーメン”著者・青木健「ラーメンって、答え合わせをして食べるようなものじゃないと思うんです」
ラーメンに自由を
――聞けば聞くほど、今まで知らなかったラーメンの知らない側面が見えてきます。ちなみに、青木さんはそばやうどんにはタッチしなかったんですか?
青木 だしやコシの違いなどあると思うのですが、ラーメンほどの差異を見いだすことができなかったため、ハマらなかったですね。たとえば、『無鉄砲』というラーメン店があるのですが、ここはコーンポタージュをすくっているのかと見まがうほど、スープがとてもドロドロしています。とんこつが濃すぎて、れんげが浮くんですよ。もはや別の料理と扱ってもいいくらいなのに、これもまたラーメンという括りの中にある。もし、中華そばのままだったら――たとえばトマト味の中華そばが登場したら、「こんなの中華そばじゃない」とハレーションが起きると思うんです。ところが、「ラーメン」という謎の名前を冠したことで、定型を持たない、あらゆる要素を取り込むことを可能にしてしまった(笑)。ラーメンと呼称したことで、「こんなのラーメンじゃない」がなくなってしまった。そのアイデンティティに魅了されてしまう自分がいるんですね。
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青木健=あおき・けん|1969年、埼玉県生まれ。日本大学藝術学部卒。ラーメン業界を専門に、デザイナー、イラストレーター、漫画家、エッセイストなどとして活躍中。有名ラーメン店のロゴデザインを、これまでに50ブランド以上手がける。今や国内外に数十店舗を展開する「ラーメン 凪」グループの創業を皮切りに、ミシュランガイドで世界初の一つ星を獲得したラーメン店「Japanese Soba Noodles蔦」など、繁盛店となった店も数多く、業界内の信頼度は高く、ラーメンムック本の監修を務めることも。